2023/1/5

【小島・新CEO】日立製作所は「デジタルの次」に踏み出す

NewsPicks ジャーナリスト
2023年、いよいよ日本企業が前進する年になるのか──。
低金利もあいまって「GAFAM」などのアメリカを中心としたデジタル系テック企業が時価総額で一人勝ちする。そんな時代でもなくなった。
一つのテクノロジー領域だけで、複雑な社会課題を解決することは非現実との認識も、改めて広がりつつある。
それだけに、愚直に社会課題に取り組んできた日本企業が再び輝くチャンスが訪れている。
ただし、賞味期限切れのビジネスを変える、という条件が付く。
そこで2023年にお届けする大企業インタビューの第一弾が、日本の企業変革を代表する日立製作所。社長兼CEOの小島啓二氏だ。
さかのぼること3年。NewsPicksは小島氏が社長になる前からインタビューしてきた。小島氏こそ日立のデジタル改革のキーパーソンだからだ。
社長就任後、NewsPicksで初インタビューとなる今回。ただし、その目線の先にあるのは、もはやデジタルだけにあらず...
ニッポンが進むべき「デジタルの次」に迫る。
INDEX
  • パーパスを一つに
  • 成長のカギは、「E」から「E」
  • デジタルに続く、もう一つの「D」
  • DXの次は、「BX」

パーパスを一つに

──日立は2009年3月期に7873億円と、当時、日本最大の最終赤字に沈みました。小島さんは、日立をどのように見ていましたか。
私は、研究開発部門の責任者でした。
研究所のトップは、日立の事業や子会社のトップの人と対話する機会が多くあります。(後にCEOに就任する)中西宏明さんとも、たびたび話をしました。
多くの人と話しているうちに、問題がはっきりと見えていました。