【解説】マスクが目論む「ツイッター黒字化計画」の全貌
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しばらくは、人員削減の無計画さ、その後のサービスの混乱を報じるニュースが増えそうですが、やり方が急すぎるところはありますが贅肉がついた赤字企業の再生としてはあるべきコスト構造にもっていくことが必要で、特に人件費は「必要な業務」と言い出すと無限に膨らむので、業務改革などする場合も○%減らすなら、ということで検討していくことが多いです
ただ、普通はせいぜい30%くらいが多いですし、具体的にどの業務を減らすとか、移行プランをどうするとかを考えた上で実行するわけなので、今回のやり方が無茶苦茶なのは間違いないですが、これまでも「そりゃ無理だ」ということを実現してきたのでどこか期待してしまうのも事実
冷静に数字を見てみると2021年は売上は前年から一気に40%伸びて51億ドル、粗利が33億ドル、販管費が38億ドルで5億ドルの赤字
人員7500人のうち半分削減として、一人あたり10万ドルとすれば4億ドル弱減るので赤字はほぼ解消できるくらいのインパクトですが、売上も落ちるとそれも崩れます
上記の人件費単価を前提とすると人件費率(実際は原価に入ってる労務費もありそう)は15%なのでこれだけ見るとそこまで大きくも見えませんので、何を「適正」と見るかはどういう付加価値を提供する会社と定義するか次第で、それこそが経営観があらわれるところになりますフェイスブックも大幅な人員削減を始めるとのことですが、これはソーシャル・メディアというビジネスモデルが終焉を迎えつつある、ということでしょう。
「シェアリング・エコノミー」もそうですが、利用者が数億人いるとはいえ、なぜこれで収益が出るのか、なぜ全世界の企業の中でも有数の時価総額がつくのか、という根本的な疑問が答えられないまま、「いずれは莫大な収益を生む」という答え方で続けてきましたが、「結局、それほど収益は出なかった」が最終的な答えになりそうです。
「広告料収入」という答えも、結局、広告主がそれだけの費用対効果を見出すかどうかにかかっていますが、「それだけの価値はない」という答えに行きつきそうです。
ソーシャル・メディアは、人口の大多数が使う公共インフラとしてではなく、はるかに小さな、それなりの金額の使用料を払ってでも使いたい好事家たちのスペースとして存続していくでしょう。
pixivとか、オンラインゲームのような、同じことをやりたい人たちのコミュニティであれば、毎月数千円を払ってでもやりたい人たちは一定数います。
「全世界に向けて自分のメッセージを発信できる場を提供する」という商売は、案外儲からないものです。実際は全世界にメッセージを聞いてもらえる人は非常に少数だし、そういう人はマスメディアにも登場できるからですね。
米メタ、大規模な人員削減を今週通知へ=関係筋
https://jp.wsj.com/articles/facebook-parent-meta-is-preparing-to-notify-employees-of-large-scale-layoffs-this-week-11667770573主語にイーロン・マスクという名前を持ってくると、プラスマイナスともに、感情的な評価がいきなり増えるが、その主語を外せば、やることはシンプルだと、まず気づくはずです。
彼らは「ツイッターの収益を上げるか、コストを削減するか、あるいはその両方を行わなければならない」という、本来やるべきことをやろうとしているに過ぎない、のだと私は思います。
「締め切りに間に合うよう、チームが24時間働き続けているときは、#SleepWhereYouWork(仕事場で寝る)しかありません」というプロダクトマネージャーのツイートを、異常な事態だとか、イーロン・マスクは気狂いじみている、と彼への好き嫌いを全面に出して評する人がいるかも知れないが、私はむしろそうしたことのすべてが、企業や組織の危機対応としての正常な機能発揮の結果で、いわば資本主義という枠組みの良さが出ている好事例だと、シンプルに評価すべきだと思っています。
違うだろうか?