【完全解説】世界を騒がす、イーロン・マスクの「頭の中」
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10月27日は、ファルコン9ロケットを発進させ、スターリンクの衛星53個を軌道に投入、
https://twitter.com/elonmusk/status/1585811291851018241
同日、ツイッター本社入りし、「鳥は自由になった!」とツイート、
https://twitter.com/elonmusk/status/1585841080431321088
(35万リツイート、200万いいね)
新CEOとしてマスク氏がツイッター本社にて最初に決定したことは、
・前CEO、Parag Agrawal(インド出身)を解任
・CFOを解任
・法務責任者を解任(インド出身)
当面、次の動きとして注目されるのは、トランプ前大統領およびその他トランプ派の人士のアカウントが、ツイッターに復活してくるかどうでしょう。
法務責任者は、アカウントの停止に関する訴訟の担当者でもあるので、その入れ替えは、アカウント停止をめぐる多数の訴訟で和解するための準備と推測することもできます。
マスク氏は、当代では世界有数の目立ちたがり屋で、目立つことに成功し続けています。
マスク氏の掲げる「自由」は、トランプ派も発言できる自由であり、経営者が労働組合を潰すことも許される自由、です。
「自由」については様々な考え方があり、労働者に権利を行使するための機会を提供することを「自由」のためであるという考え方もあります。
マスク氏は、ツイッターの大規模な人員削減も予告しており、場合によっては、それで営業利益と株価が上がったら、ツイッターを売却するかもしれません。それも「自由」でしょう。
マスク氏の「自由」は、曖昧なところがあり、政府が経済に介入することを否定する、という意味でのリバタリアンではないでしょう(たとえば、政府からの補助金は取れるだけ取っており、無政府主義者というわけではないでしょう)。
これまでのマスク氏の主張によれば、ツイッターの「検閲」を減らすとのことで、人員が削減されたツイッター社は、アカウントやツイートの制限が減るのかもしれません。ただ、その結果、ツイッター社を相手取った訴訟は増えるでしょう。けだし氏はペイパル以来ほぼ四半世紀ぶりにインターネットサービスの経営に携わることになる、純粋にその点のみだけ捉えると期待と興味が湧く。特に注目は既に本人が言及しているスーパーアプリ構想だろう。クリプト関連機能も付随させる可能性もあろう。ただし米国ではスーパーアプリ的試みはことごとく失敗してきた、米国ネット市場の成り立ちや文化とはスーパーアプリは相性が悪いのだ。他方でアジアはじめ米国外では既にその分野は十分に手垢が付いている。という事で簡単ではない、が独特の奇抜なアイデアで何が飛び出して来るやら見もの。
その他については蓋を開けたらほとんど変わらない、という予測をしておく。実際、広告嫌いながらも開口一番広告主にべったりおもねる発言をしてみたり、自由だ自由だと言いながらもさっそくコンテンツモデレーションに関する有識者による評議会の設置を公表したりしている。そもそも表現の自由とネットニュートラリティvs国家安全保障やポリコレ極まる個人情報保護社会、という知恵の輪はどんな天才であれ魔法のように解けるはずもない。
あとは収益性と企業評価額ひいては史上最大級の財務レバレッジでバイアウトした兆円単位の借金の返済。首が回らなくなりテスラ株が取り沙汰されそっちの株価が下がるなどもあり得るだろうが正直知ったことではない、という感想。
その他、選挙に向けてトランプアカウント復帰がどうの、など今後とも騒がしいネタのオンパレードだろうが、私見としてはそのあたりについては彼の買収の目的とやらの人々分断の軽減、とは正反対の結果を招く予感しかしない。目立ちたがり、自信家、偽善が嫌い、いずれも彼の本当の姿なのでしょう。1つのパターンで括ろうとする「正義の味方マスコミ」を逆に笑っているかのように。悪いところもたくさんありますが、彼の実績は過小評価できないことも確かですし、嫌いな人の数と同じくらいファンもいるのでは。ツイッターがどうなるか見ものです。