2022/10/10

【調査】ハーバード大が追跡、デモ活動が「成功」しない理由

イランでは、女性が必ず着用しなくてはいけないスカーフ、ヘジャブが正しく着けられていなかったとして道徳警察に捕まった22歳の女性が、9月16日に留置施設で死亡した。
その事件をきっかけに「自由」を求めて、大規模なデモがイラン各地で発生した。国際人権NGOのアムネスティ・インターナショナルの発表によると、これまで少なくとも82人が死亡している。
イランの抗議デモ隊は政府に力強く立ち向かい、参加者も続々と増えている。その一方で、ニューヨーク・タイムズは、デモは彼らにとって、好ましくない世界的なトレンドをなぞっているかもしれないと伝えている。
SNSの台頭と共に、多くのデモ活動が世界で繰り広げられてきたが、その運動が「成功」に結び付かない可能性が高くなっているというのだ。
トルコで起きるイラン政府に反対するデモ 写真:Chris McGrath / Staff / Getty Images

落ち込む「成功率」

経済的な苦境や政治的な弾圧、政治の腐敗などに抗議する大規模デモは、かつて最強の独裁者さえも追い落とす強い力を持つと考えられていた。
しかし、その「成功率(目標達成率)」が世界的に落ち込んでいるという研究結果が公表された。