中露首脳が侵攻後初会談 プーチン氏「中国の対応を高く評価」
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習近平はプーチンに対し、この期間「両国間の各分野における協力は一歩ずつ推進されている」、「中国側は双方の核心的利益に関わる問題に対して、ロシア側との相互支持に力を入れていきたい」と主張。中国語の文言から滲み出るのは一定の距離感と保留です。
一方、プーチンは習近平に対し、「昨今の世界では多くの変化が起こっているが、唯一不変なのは、ロシアと中国の間の友誼と相互信任である」と指摘。
「唯一不変」という強い表現を習近平はどう受け止めたか。
今回の会談から解読できるのは、ロシアとの相互協力と支持を正視し、推し進めつつも、一定の距離と保留を差し出す習近平と、中国に何が何でもロシアの側についてほしいプーチンという構造。前者にとって、中ロ関係は「条件付」(現実的考慮)、後者にとっては「無条件」(希望的観測)とも取れます。局面は中国有利ということです。中国の関心は、やはり経済的な実益であり、ロシアがNATOと対決すると言っていたり、ウクライナで戦争しているといったことには、我関せず、というのが実際のところでしょう。
中国、モンゴル、ロシア首脳会談が行われ、モンゴルを経由したロシアから中国へのガス、原油パイプラインの新設を2024年に開始することなどが合意されました。
もちろん、経済的実益のためだけでも、取引してくれる国はロシアにとって貴重です。
中国の関心は、東ヨーロッパではなく、太平洋にあります。
ロシアは、中国海軍との合同訓練を太平洋で実施するなど、いざという時に中国の期待に沿うことを示唆する行動も、こまめに繰り返しています。中国は漁夫の利を狙っている可能性が高いです。
戦争後の新たな経済の枠組みを見越していたのは明らかです。
露と印が原油取引を米ドル決済で行わなくなりました。この戦争によって中東諸国や新興国を中心とする新たな経済連携も見受けられます。
米国中心の世界からの脱却を見据えた動きは通貨面にも現れてきました。
中国のデジタル人民元が普及するようなことになれば、米国はおろかそれに依存しているEUをはじめとする西側諸国は大打撃でしょう。
基軸通貨米ドルの立場も危うくなったという見方も納得です。
日本は一方的に露を敵視したことに関し、国防面のみならず経済面でも致命的な判断ミスを犯したといえるでしょう。