2022/9/9

激安ファッション「SHEIN」で爆買いする若者の本音

INDEX
  • 限定リアル店舗は長蛇の列
  • ネットで荒れるSHEIN叩き
  • 批判にもめげない熱狂的ファン
  • 100ドルで買える仰天リスト
  • 激安ファッションは庶民の権利
  • H&Mでも高すぎる

限定リアル店舗は長蛇の列

テキサス州ダラスにあるショッピングモールで、ファストファッションブランド「SHEIN(シーイン)」のポップアップ・ストアが設置された一角には、どこか切羽詰まった空気が漂っていた。
入り口に配置された警備員は、このストアが営業していた3日間で、列に並ばずに入店させてほしいと差し出された「賄賂」を20件ほど断ったという。たいていは20ドルほどだったが、なかには100ドルというオファーもあったそうだ。
営業最終日の日曜日は、開店が正午の予定なのにもかかわらず、午前6時ごろに最初の買い物客が現れた。客の行列は午前中いっぱい伸び続けた。
午後12時半以降に到着した人は、もはや入店は無理だと宣告され、1ドルのデイジー・イヤリング、4ドルのバケットハット、12ドルのケーブル編みクロップトップ、13ドルのフェイクレザーバゲットバッグ、29ドルのネオンPVCミュールサンダルなどを実店舗で購入する機会を奪われた。
「あの窓の数字を消さなければならなかったんです」と、警備員のドン・ディッカーソンは、土曜日の閉店時間を示す「8 p.m」の白いステッカーをはがした跡を指さした。この日は在庫が少なかったので、午後4時に閉店せざるをえなかった。
テキサス州ダラスのSHEINポップアップ・ストア(Cooper Neill/The New York Times)