2022/9/3

【新本命】マイクロソフトは「ローコード」でも天下を獲る

NewsPicks 編集部 記者・編集者
今こそローコードだ──。
米Microsoft(マイクロソフト)が今、「ローコード」の業界で急激に勢力を伸ばしている。
ローコードとは、少しのコードだけでソフトウェアを開発する手法で、マイクロソフトの「Power Platform(パワー・プラットフォーム)」の年間売上高は前年比で72%増と急成長している。金額は20億ドルほどだが、市場の約15%を占めている計算で、すでに「業界のリーダー」との声も上がっている。
サティア・ナデラCEOも「(ローコードツールは)迅速な生産性の向上を支援するもので、その重要性はかつてないほど高まっている」という注力ぶりだ。
では、マイクロソフトは、いかにしてローコードに活路を見出したのか。そして、どのように、事業を成長させていくつもりなのか。
NewsPicksは、同社のローコード事業を率いるコーポレート副社長のチャールズ・ラマナ氏(ビジネスアプリケーション&プラットフォーム担当)を直撃し、その全貌を聞いた。
INDEX
  • ローコード「爆発」の要因
  • 原点は「エクセル」
  • 「10億人」が殺到する未来
  • 「書き方」より「マインド」だ
  • エンジニア不要論の正解は?

ローコード「爆発」の要因

──そもそもなぜ、ローコード市場は成長しているのでしょうか?
✅前提知識:ローコードとは?
ローコードは10行程度など、少しだけコードを書いてアプリ開発などをすること。
全くコードを書かない「ノーコード」と違い、一定の学習量が必要になる。
しかし一度習得すれば、あらゆるツールをカスタマイズできるようになり、文系のビジネスパーソンでも業務効率化が可能になることから、市場自体も急成長している。
ラマナ ローコードは、(プログラミングによるアプリやサービスの開発、テクノロジーによる課題解決など)少人数しか利用できないことを、多くの人々ができるようになる世界を作ってくれます。
そして実際に2016、17年ごろ、(SaaSの台頭などにみられるように)ビジネスパーソン側とテクノロジーの2つの観点から、大きな変化が同時に起こりました。