(ブルームバーグ): 任天堂が3日に発表した4-6月期(第1四半期)の営業利益は前年同期比15%減の1016億円で、ブルームバーグがまとめたアナリスト10人の予想平均1152億円を下回った。半導体部品の供給不足などで家庭用ゲーム機「スイッチ」の生産が減り販売減となったことなどが影響した。

今期(2023年3月期)の営業利益予想は前期比16%減の5000億円に据え置いた。

発表によると、今期のスイッチの販売目標は前期比8.9%減の2100万台に据え置いた。今期の業績予想の前提となる為替レートも1ドル=115円、1ユーロ=125円に据え置いた。

第1四半期のゲーム専用機事業の売上高は前年同期比4.3%減の2956億円。半導体部品の不足が生産に影響し、出荷台数が減少したことが響いた。計画通りに生産できていないものの夏の終わりから秋にかけて状況は徐々に改善する見込みで、年内の生産見通しは立ちつつあるとした。

第1四半期のスイッチの販売台数は同23%減の343万台、スイッチ向けソフトウエアの販売本数は8.6%減の4141万本だった。

同四半期の為替レートは1ドル=136.11円と前期の平均と比較して14.28円の円安となった。そのため517億円の為替差益が発生したことなどから純利益は前年同期比28%増となった。

米国モーニングスターの伊藤和典アナリストは、第1四半期はソフトウエアの売り上げが不振だったと指摘。今期の販売目標を修正するほどではないが、「市場が期待しているような上振れは難しいような滑り出し」だと述べた。

ハードウエアについては、「半導体不足で本当に作れていないのか、勢いが落ちてきているのか分からない」とし、現時点では今期の販売目標を「少し下回る程度で推移しているように見える」とした。

(アナリストコメントを追加して記事を更新します)

©2022 Bloomberg L.P.