新型コロナ治療薬、BA.5にも有効 少なくとも4種 細胞実験で
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こちらのニュースは、日本からの報告です。あくまで試験管の中でのお話であり、人レベルでの有効性を見た報告ではありませんが、試験管レベルでは、日常診療の中で頻繁に使用されているレムデシビルやパクスロビドがBA.5に対しても有効であることが示唆されました。
実生活に落とし込む場合には注意が必要な情報ですが、すでにこれまでの変異ウイルスでも有効性を確認できていることから、期待を持たせてくれる結果ではあります。
新型コロナは依然として、有効なワクチン、治療薬の両者を持つ数少ないウイルスの一つです。日本国内の感染者は増加傾向にありますが、万が一(重症化リスクのある中で)感染してしまった場合にもこのような治療薬があるというのは、安心材料だと思います。
出典:https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2207519?query=featured_home新型コロナ治療薬(=抗ウイルス薬)の場合、「ターゲットとする変異株ごとの有効性の違いは(ワクチンと比べると)おそらく小さい」と理論的には考えられています。今回の著名医学雑誌に掲載された実験報告は、このような仮説ないしすでに行わていた予備的研究に対する緻密な検証の位置付けですが、実際の効果(臨床的有効性)は、実際に正しい手順に基づいた臨床試験で効果を確認した上でないといえません。(細胞実験と臨床効果にずれが生じることは一般に起こりうるため)
(新型を含めてすべての)コロナウイルスは遺伝子を構成するタンパク質を特定の部位で切断して増殖していきますが、これを阻害するのが抗ウイルス薬の働きであり、オミクロン株にも同様に「(コロナウイルスの増殖の際の阻害)効果を示す」ことは「理論的には当然」だと考えられます。
一方、遺伝子変化はコロナウイルスがもつスパイクタンパクに大きな変化を及ぼすため、これが変わるとワクチンとの結合性に変化が現れる結果、変異により大きな差異が現れやすいことが知られます。これが新型コロナウイルスの初期型の株をベースに開発されたワクチンが、オミクロン株系統の変異株に効果を示しにくいとされる理由であり、変異部位が多いとされる変異株にはその変異株をベースにしたワクチンを開発し直す方がよいと考えられています。
(過去の参考記事)
「飲み薬はオミクロン株にも有効」(FNNプライムオンライン 2021年11月30日)
https://newspicks.com/news/6398744?ref=user_1310166
「塩野義が開発の飲み薬、オミクロン株にも効果確認」(産経ニュース 2021年12月20日)
https://newspicks.com/news/6483174?ref=user_13101662週間ほど前にコロナ(BA.5)に感染し、ラゲブリオ(モルヌピラビル)を使用した患者の一人としてコメントします。症状(38.3℃の発熱)が出て検査で陽性判定となった翌日すぐにラゲブリオの投与を開始したところ、その日のうちに熱がひき、喉の痛みが痒み程度のものに変わり、その後はほぼ無症状で自宅療養を終えることができました。その意味で、ラゲブリオの効果は身をもって感じました。
検査は東京都から紹介された指定の発熱外来対応医療機関で受けましたが、ラゲブリオの処方は薬局宛電子処方箋の送付という形で迅速に行なっていただき、その際コロナ感染であることを示す符号を記入してもらったので、要介護5と同じ扱いとなり、数時間後には特例承認薬を交付する前提となる「承諾書」とともに薬局の担当者が自宅まで届けてくれる、という対応をしていただきました。医療DXの威力を体感する出来事でした。医療機関と保健所の連携も素晴らしかった。
なお、ラゲブリオのカプセルは、ちょっと飲むのをためらうような毒々しい色(色はあえて申し上げません)で、これはサプリなどと間違って誤飲しないようにとの配慮だと、勝手に納得して感心しておりました。