アマゾンが低価格住宅を提供、イーロン・マスクも「プレハブ住まい」と噂の新潮流
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アメリカ、特に都市部でのプレファブ住宅への投資と開発トレンドは何も今に始まった話ではなくて、2010年ごろからかなりの大規模再開発でも、中高層集合住宅をいかにプレファブ化するか(かつデザインや不動産価値を相応に高めるか)はずっと一定のトレンドとして存在してます。もちろん昨今の急速なインフレで低価格住宅へのニーズがより顕在化しているのも確かです。
例えばNYでは、イーストリバー沿いの再開発、特にドミノシュガー地区はプレファブ超高層にフォーカスしていますし、Netsの本拠地バークレーズセンターの集合住宅なども、あえて低所得者向けの賃貸を多めに設定したプレファブ超高層とのパッケージ開発です。アメリカは特に、20世紀後半に低所得者向けの「プロジェクト」と呼ばれる大規模団地を均質かつ大量に供給し続けた結果、犯罪と社会格差固定の温床となってより大きな社会問題化した経験があるので、今ではあえて高所得者向け地区と低所得者向け住宅を積極的に混在させる方向に動いています。
その中には税制優遇などでの民間投資の誘導などもうまく組み込まれていて、治安の悪い地区に市の誘導で新産業と再開発の誘致を行い、その規制緩和や税制優遇を利用して低所得者向けの相応に質の良い環境を作るというサイクルで、NYなどは全米でも最も治安のよい街に変化しつつあります。数年前にGoogle Sidewalk Labの撤退で話題になったカナダ・トロントのキーサイド地区の新しい再開発計画なども、かなりこの辺のトレンドにのっとった内容になっているようです。
大企業、高付加価値の産業であればあるほど、むしろ低所得者向けの環境を整備するインセンティブと圧力を受けるしくみになっている(そういうシステムを過去30年ほどをかけて構築してきている)のがアメリカなので、プレファブの技術やビジネスモデル単独で語れる内容ではないですが、そもそも2x4自体がプレファブに近い概念でつくられたシステムなので、社会的に相性はいいのでしょう。
プレファブでも文化的な生活は十分にできるし、むしろいろいろな社会階層が混ざっていた方がサスティナブルな都市になる。この辺はより長期的な視点で学ぶことが多そうです。
*ちなみにこの日本語記事の面積は誤訳で、元記事によると600㎡ではなく600sqft、つまりほぼ60㎡です。テック企業が進出すると、住宅価格が上昇してしまうという問題は従来からありました。
社会的責任の一環として、Amazonも低価格住宅の提供に尽力しているのでしょうね。
記事の最後にあったように3Dプリンターで材料をどんどん作れれば、後は組み立てる業者がいれば済みます。
建設業界も3Dプリンターで大きく様変わりする可能性が大ですね。