2022/7/13

【NYT】日本での銃事件は「安全神話」の終わりなのか?

日本は、銃規制の厳しい国として知られている。
安倍晋三元首相が暗殺された事件は、その規制が「失敗」だったという非難のように思えるかもしれない。
だが、別の見方もある。今回の銃撃事件は、厳格な規制の「成功」を明白に示したというものだ。
銃規制の専門家らは、どんなに厳しい規制をかけても、人間が持つ暴力性を完全にぬぐい去ることはできないと強調する。だが、銃規制はうまくやれば、暴力の深刻さと頻度を軽減できる可能性がある。
日本で起きた今回の事件をつぶさに見ると、まさにそのことを示しているようだ。
容疑者は、粘着テープと金属パイプを使った粗雑な自作の銃器を使用したとみられている。
「ジップガン」や「パイプガン」と呼ばれるこうした銃は、大抵のホームセンターで販売されている材料で作ることができ、追跡や防止は事実上不可能だ。
容疑者がこうした装置を作り、使用できたということは、銃規制があっても、社会から暴力を完全に排除することはできないことを意味する。
だがそれと同時に、銃規制はそうした暴力行為が起きる頻度を減らし、かつその攻撃性を低下させることも示している。
INDEX
  • 銃所有率は、米国が日本の「400倍」
  • 銃犯罪を起こす「障壁」
  • 「安全神話」の崩壊なのか
  • 銃規制で、暴力は止められるのか

銃所有率は、米国が日本の「400倍」