感染拡大「第7波」と尾身氏 行動制限は必要なし
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私の住むNYを含むいくつかの地域ではBA.2以降に感染流行の波を経験していますが、行動制限を要さず、ピークを過ぎました。たしかに感染者は増加しましたが、入院病床を圧迫したり、重症者が過度に増加することはなく、デルタ以前のような重症化率を経験することもありませんでした。
これは、過去の感染やワクチン接種の広がりによる人々にできた免疫が果たしている役割が大きいと考えられます。そもそも、BA.5はこうした免疫の「圧力」の結果として生まれたものでもあります。
「行動制限は必要なし」と考えられるのは、「行動制限が無効になった」という意味ではなく、重症者を抑えるということを主目的にした感染拡大防止効果と私たちに強いられる負担との「動的な」バランスの中で「割に合わなくなった」という判断だと思います。
過去と言っていることが違うと思われる方もいるかもしれませんが、むしろ複数の動的なパラメータがある中で、対策は変化する方が自然ですし、過去の対策に固執する方が誤りです。
幸い3回目接種による重症化予防の有効性と持続性に救われていますが、今後は、どのようなタイミングで、どのようなブースター接種を行うか(ただファイザーかモデルナかといった議論ではなく、どのような投与経路、どのような抗原をどのような割合で用いるか)に焦点が当たっていくことになるでしょう。現在が第7波の拡大ステージにあることは明らかですが、政府による「行動制限『要請』」は、「今のところは不要」との発言です。今後さらに拡大すれば「必要」に変更されるかもしれません。判断基準として「病床数の余力」が重視されると思います。
例えば東京都については、確保病床数は5,047床(昨日公表の4,766 床から増えましたが、理由はわかりません)で、現在の使用病床数は1,941床です。入院者数の推移は、次の資料から確認できますが、確実に上昇しています。
入院患者数(東京都 リアルタイム)
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/cards/number-of-hospitalized/
重要指標(東京都 リアルタイム)
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/
直近の入院者数の増加のペースは、はじめてオミクロン株が問題視されたころのペースに近いようです。医療体制が整わないなどの理由で医療機関が断ることが常態化しているため、これまでは4,000強で頭打ちになっています。(確保病床数の5,047床は有効な数字ではありません)。
したがって、現在のペースが続くなら、先のグラフを参考にすると「あと3週間程度で入院の受け入れに支障が出る」ことから、7月下旬を目途に何らかの「行動制限『要請』」が出されるかもしれません。その時点では、入院したくても思い通りに請けてもらえない状況になっていることが予想できるため、気を付けたいと思っています。
それまでに感染対策を行う行動が意識されるなどにより、先に書いた不安が現実にならないことを願っています。ご専門の尾身さんが行動制限は不要と仰いました。医療が逼迫する頃にはまた行動制限強化でしょうか。とはいえ、明瞭な効果が不明であるからこそ、イベントも再開されたような印象を受けています。
酷い夏にならないことばかりを祈ります。