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エーザイなど開発のアルツハイマー治療薬、米FDAが優先審査へ

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    マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー

    レカネマブは、アルツハイマー病の原因の一端を担っていると考えられているアミロイドベータに対する抗体薬です。

    コロナウイルスですっかり有名になった「抗体」ですが、普段は病原体との戦いに用いられるこの「抗体」を、病気の原因になるタンパク質などをターゲットに製造し、病気の治療に使用しようというものです。がん治療など、他の多くの領域でも一般的になりつつあります。

    アミロイドベータ抗体については、これまで開発された薬剤では残念ながら十分に良好な臨床試験成績を得られていません。今回紹介されているレカネマブも12ヶ月時点では十分な有効性が示されなかったものの、18ヶ月時点でその有効性が示唆され、またモデル研究の上では長期的な効果についても示唆されたことから、今回のFDA審査のプロセスに至っています。

    ただし、他のアミロイド抗体も同様ですが、その副作用への懸念、薬剤コストの問題、診断やフォローアップのプロセスで用いられる検査コストの問題など、十分にクリアされていない課題を当該薬剤が克服しているわけではなく、過去の薬剤同様に議論を呼びそうです。

    認知症に関しては、今後類似のニュースが急増していくと思います。まだまだ発展途上であり、丁寧な議論が必要ではありますが、少しずつアルツハイマー病克服の未来や方向性が見えつつあるとも感じます。


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    専修大学 商学部教授

    記事のアルツハイマー型認知症薬「レカネマブ」は、2021年に米国FDAから承認を受けたアルツハイマー型認知症薬「アデュカヌマブ」と同じエーザイー米バイオジェンの企業チームによって研究開発され、臨床第3相試験を終えています。

    今回米国で優先審査の対象になったのは、米国の医薬品承認制度における画期的・新規の作用機序(基盤・基礎理論)をもつ「治験薬」に対して、実施する臨床試験のステータスを上げるというもので、医薬品の研究開発促進政策に位置づけられたことによります。

    指定されると、米国薬事審査でのファスト・トラック(優先承認審査制度)に乗ります。これにより、新薬承認申請の提出前や申請途中にも審査当局との協議が促進されますが、指定されても承認が約束されるものではありません。

    2021年に米国FDAから承認を受けた「アデュカヌマブ」は、当初の米国での承認後、紆余曲折しています。米国では多くの民間保険会社が同薬剤の保険取り扱いを極めて異例の扱いで拒否し、欧州医薬品審査庁は科学的根拠に乏しいとして不承認、日本では審査データ不足として審議保留にされています。

    2022年5月には、米バイオジェンのミシェル・ボナッソスCEOが退任するとの発表があり、「アデュヘルム(一般名:アデュカヌマブ)」事業の縮小をすでに表明しています。

    原因であるとされる「アミロイドβ(仮説)」自体に不明な点が多いとされ、今後の研究の進行によって、ゲーム・チェンジが起こりやすい領域ではあります。


  • WithMetis 代表取締役 理学博士(物理学)

    日本の介護費用は、1年間に10兆円強ですが、介護が必要になる理由のトップは認知症(18%)であり、それを考えれば1年間で約2兆円ほどの費用がかかっています。アルツハイマーは、認知症のうち7割を占めると言われていますので、1.4兆円ほどの費用ということになりますが、家族が介護離職を強いられるなどの影響を考えれば、もっと大きいと考えることもできます。

    本当に強力なアルツハイマー治療薬ができれば、その費用を軽減できるわけですから、政府(や米国等では保険会社)の側は、その効果の具合に応じて、相応の薬価をつけるべきでしょう。また、参入する製薬企業、創薬・バイオスタートアップにとっては、それだけビジネスチャンスということでもあります。

    アミロイドβ仮説については、現状は、厳しい状態が続いています。エーザイのアデュカヌマブは、承認が一旦得られましたが、保険会社が購入しないという判断などがあり、売上は見込めていません。

    また、次に主要な仮説である、タウ仮説についても厳しい状態が続いているという見方もあります。
    https://answers.ten-navi.com/pharmanews/19384/

    これらについては、バイオマーカー(例えば、特定の遺伝子の変異や、あるタンパク質や代謝物質の量が多い、少ないなど)がわかれば、がらっと変わる可能性はあります。ある薬剤が、ある患者群については、進行を遅らせたり、戻したりできるが、ある患者群については、むしろ悪化させているということがあった場合には、臨床試験では、ボヤっとした結果しかでずに承認がでないということになります。これを見分けるマーカーが分かれば、事情は大きく変わってきます。

    ですが、やはり、アミロイドベータ仮説や、タウ仮説が間違っているという可能性もあります。それならば他の仮説ということも考えられます。

    ちなみに、アルツハイマー治療薬として、日本で認可を受けている薬は、4つあり、そのうち、3つは、コリンエステラーゼ仮説を基盤にしています(エーザイのアリセプトも含む)。残りの一つのメマンチンは、NMDA型グルタミン酸受容体拮抗薬であり、ドーパミンD2受容体の作動薬でもあります。

    ここら辺のヒトでのエビデンスを基に、アミロイドベータやタウとは異なった標的を狙っていくというアプローチも考えられます。


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