新聞のデジタル化加速=紙には付加価値―WSJ擁する米ニューズ首脳
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イギリスのインデペンデント紙が2016年に紙をやめ完全デジタル移行した前後の調査データがあります。紙の読者はデジタルには移行せず、そのまま消えてしまった、という分析結果でした。
https://www.niemanlab.org/2018/09/what-will-happen-when-newspapers-kill-print-and-go-online-only-most-of-that-print-audience-will-just-disappear/
紙の読者とデジタルの読者は、メディアやそのコンテンツへの接し方(時間の使い方、何を求めて読んでいるか、など)という主要な点で大きな違いがあり、紙からデジタルにそう簡単に移行してくれるわけではない、ということがわかります。
であれば、紙は紙の、デジタルはデジタルの読者はどういう読者かを把握し、その読者に向けて「伝えたいことを、伝えたい人に、伝わるように書く」を徹底的に工夫することが大事なポイントになってきます。日本の新聞社は世界に類例を見ない宅配網を持ち、それがいまだに一定の大きな部数を支えているのですが、ここ十年あまりの間にライフスタイルの変化が進んだことで、各社DXは不可避の流れになっています。欧米の先行事例をみながら、デジタルの有料購読者を増やし、そして新聞社のスケールメリットをデジタル購読者にもしっかり還元していくビジネスモデルを早急に日本でもつくっていかないと、いろんな装備が旧式の新聞社が生き残るのは難しいと私は考えています。デジタルであれ、リアルであれ、硬派ジャーナリズムであれ、エンタメであれ、あらゆる可能性を模索したいですね。
デジタルと紙では、顧客がまったく違う側面と、同じ顧客のライフスタイルに合わせて使い分ける側面とがあります。
そこをどう使い分けるか、組み合わせるかというのが、紙とデジタルを併存させるメディア運営の醍醐味ですね。