22年路線価、2年ぶり上昇 0.5%、コロナ影響緩む
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路線価は課税金額算定に使うものなので、実態の売買値とは大きく乖離がありますが、去年がかなり下がった分の寄り戻し。円安影響を鑑みると、ドル円ベースでは大幅安な状態ですね。海外投資家の日本の不動産に魅力を感じる理由になっています。
これは、どこまでが事実で、どこからが憶測なのか、大事なところがごっちゃになっている記事です。
まず、路線価は時価ではないので、これに一喜一憂する必要はありません。それは土地の鑑定評価に基づくもので、公示地価とも連動する(公示地価よりも網羅的)ので、大きなトレンドを表すものとして使っても良いでしょう。
ただ、一つ気をつけなければならないのは、今出されている22年路線価は、今年の1月1日を基準にしたもので、しかも鑑定評価は、それよりも過去の不動産情報に基づいて出されているということです。つまり、今回の路線価は足元の市場環境に基づく真の価格からは約1年ずれた「過去の価格の目安」であるということです。
国税庁の路線価は、相続税の支払い金額を算定する際に用いるもの(それ故にピンポイントの地点を抽出している公示地価より全国津々浦々を網羅的にカバーしている)なので、課税という本来の目的に照らして問題は全くないですが、そのプライシングには過去半年間にあったであろう「コロナの影響(社会経済活動の正常化に伴うプラスの影響)」は、反映されていないということに留意する必要があります。
従って、記事にあるような「コロナ禍の影響が徐々に緩和され回復傾向が見られた」とか、「インバウンド需要が戻らなかったか」という論評は、今回出された数字からは導き出せないはずです。
それを見ようと思えば、不動産鑑定評価算定のベースになる消費動向や人流などのビッグデータ(オルタナティブデータ)を用いて、リアルタイムに近い形で評価をする必要があり、国の不動産鑑定評価基準の整備に係る国土審議会不動産鑑定評価部会の委員の一人としていうなら、データ環境の変化を受けて、そろそろ不動産鑑定評価の枠組みを見直すタイミングがきているのではないか、ということです。
個別の粒々の不動産物件ではないですが、都市の(開発や再生などの)評価を行うにあたって5年に一度の地価で測るというやり方を転換して、公的統計・デジタル化された行政記録情報、それに人流などのオルタナティブデータを活用するというアプローチの導入が本年3月から始まっています。不動産取引自体のデジタル化が進む中で、それに応じた不動産市場の見える化をすすめる動きはここから加速してくるはずです。共同のストレートニュースはホントに情報薄い。。。
九州だけですが、日経記事を読むと各地方の中核都市以外の県庁所在地の目抜き通りは相当キツそうです。
九州各地から福岡に人が流れているのが手に取るようにわかります
TSMC進出の菊陽町、路線価5%上昇 九州全体では1.4%:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC2886X0Y2A620C2000000/
さらに北海道は伸び率全国トップ。新幹線効果もありますが、普通に札幌駅前も住宅も堅調ですね
https://news.yahoo.co.jp/articles/b7b84076b415afebbb5e1303ddbb88a6d4a6ab3e