2022/6/27

【発見】なぜ運動すると、心と頭も元気になるのか

NewsPicks ジャーナリスト
体を動かすことは身体だけでなく、脳にも良い──。
運動と脳の関係は今、脳科学でホットな研究テーマだ。
運動によって、脳の中で精神状態に関わるメカニズムが改善されることが知られている。当然、うつ病に対する治療手段として期待されている。
うつ病は、世界で3億人超が苦しんでいながらも、既存の薬が十分な効果を示さないケースが多いことが深刻な課題となっている。
ここで注目すべきことがある。運動をすると、記憶・学習の機能も高まることだ。
そして、運動と記憶・学習の関係にこそ、新たなうつ病治療のヒントが眠っている。
このような点に注目するのが、大阪公立大学大学院医学研究科の近藤誠教授だ。2018年度に文部科学大臣表彰の「若手科学者賞」を受賞した気鋭の研究者だ。
なぜ、運動によって脳の記憶メカニズムが回復すると、うつ病治療に貢献するのか。運動と心、そして頭の関係にまつわるディープなサイエンスをお届けする。
INDEX
  • うつ病治療の今
  • 脂肪が燃えれば、うつに効く
  • うつ病では記憶が弱くなる?
  • 運動と記憶の関係が分かった
  • 感情は、学習を促す
  • 運動は、感情と学習をいろどる