2022/6/21

【アトキンソン】日本が観光で稼ぐために「今やるべきこと」

世界経済フォーラムが5月に発表した観光ランキングで日本が世界一になり、円安が進む中で、外国人観光客の受け入れが再開された。
現状は団体旅行客のみだが、徐々にその数が戻ってくるのは間違いない。
その一方で、外国と比較して日本の観光収入のGDP比は少ない。今後、日本が世界レベルの「観光大国」になるためにはどうしたらいいのか。
外資系証券のアナリスト出身で、現在は小西美術工藝社の社長として文化財の保護にも取り組むデービッド・アトキンソン氏にいま見えている景色を聞いた。
菅義偉前政権のブレーンも務めたアトキンソン氏のビジョンには、日本が再び観光立国にかじを切る中で必要不可欠な提言が多く盛り込まれている。
INDEX
  • ① 首位より大事な「4条件」
  • ② 円安の「正しい」考え方
  • ③ インバウンドこそ「国策」が必要
  • ④ 単価を上げるための長期戦略
  • ⑤ 遠くから来るほど長くいる
  • ⑥ 観光大国も技術大国も目指す

① 首位より大事な「4条件」

──ダボス会議の主催機関としても知られる世界経済フォーラムが発表した「旅行・観光開発指数」で日本が世界一になりました。安全さや交通インフラ、衛生などが高評価でした。
アトキンソン 治安や交通インフラは、観光立国に向けて必要最低限のことではありますが、観光客が増えることと相関関係はほとんどありませんね。