2022/5/21

【超約】今週のニュースを「3つの要点」でおさらい

NewsPicks 編集部 記者・編集者
NewsPicksでは毎週土曜日、本記事と同内容のニュースレター「今週のニュースのポイントをつかむ」を配信中です。重要ニュースの要点を素早くキャッチアップできます。
INDEX
  • ①北欧2国、NATO加盟申請
  • ②米株式市場が暴落
  • ③来週、バイデン氏来日

①北欧2国、NATO加盟申請

(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
💡概要
欧州の安全保障が、歴史的な転機を迎えました。
北欧のスウェーデンとフィンランドが18日、欧米の軍事同盟「NATO(北大西洋条約機構)」への加盟を申請。ウクライナに侵攻したロシアの脅威の高まりを受け、両国はこれまでの軍事的中立の戦略を転換しました。
NATO事務総長のストルテンベルグ氏は「温かく迎える」と述べ、加盟手続きを急ぐ考えを強調しています。
一方で、ロシアのプーチン大統領は、両国でNATOの軍事インフラが強化されることになれば、対抗措置を講じると西側諸国に警告しました。
なおNewsPicksでは、北欧2国のNATO加盟申請について、歴史的背景や今後の展開にも触れながらビジュアル解説しています。
🤔ちなみに…
この北欧2国の動きに難色を示しているのが、トルコです。
フィンランドとスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟申請の正式表明を受けて、トルコのエルドアン大統領は「支持しない」と述べました。
トルコは「フィンランドとスウェーデンがテロ組織と見なすクルド人武装勢力を支援している」などと主張。エルドアン大統領は「多くのテロ組織の本拠地」になっているとしています。
NATOに入るためには、現加盟国による全会一致の合意が必要で、トルコの対応に注目が集まります。
ポイント
① NATO拡大の動きは、ロシアにとって想定外だったとみられる。

② アメリカのバイデン大統領は北欧2国の首脳と会談し、NATO加盟を全面支持した。

③ 永世中立国のスイスもNATOに急接近しており、加盟国との合同軍事演習などを検討している。

②米株式市場が暴落

(画像:NewsPicks編集部作成)
💡概要
テック株だけじゃない──。
アメリカの株式市場が今週、暴落しています。
ダウ平均株価は18日、一時1200ドルを超える急落。アメリカで続く記録的なインフレを背景に景気の先行きが不透明になっているとの見方から、翌19日も売りが集中し、終値が3万1253ドル13セントと今年の最安値を更新しました。
またNewsPicksでは今週の特集記事で、インフレとテック株の見通し、歴史から学べる教訓などを解説しています。
🤔ちなみに…
市場に不安が広がった背景には、アメリカの小売り大手の業績悪化などがあります。
今週、ウォルマートやターゲットが2~4月期決算を発表。どちらも売上高は増収となったものの、燃料費や人件費の高騰などが響き、純損益が大幅な減益となりました。
市場予想を下回る減益となったことで、株価が急落。ターゲットの株価は18日、約25%と大幅に下落。ウォルマートも6%超の値下がりとなりました。
両社の業績は、次の通りです(注:増減のパーセンテージは、いずれも前年同期比)。
【ウォルマート】
売上高:2.4%増の1415億6900万ドル(約18兆861億円)
純損益:24.8%減の20億5400万ドル(約2657億円)
【ターゲット】
売上高:4%増の251億7000万ドル(約3兆2140億円)
純損益:52%減の10億900万ドル(約1288億円)
ポイント
① S&P500は年初から約18%、ナスダックは約27%、それぞれ下落(18日時点)。

② コストコ、BJ’sも含めたアメリカ小売り大手4社の合計時価総額は2日間(17、18日)で1300億ドル(約16兆7000億円)以上が吹き飛んだ。

③ 日本でも急激なインフレが企業業績を悪化させ、景気を減速させることへの懸念が強まり、19日の日経平均株価の下げ幅は一時、700円を超えた。

③来週、バイデン氏来日

米大統領専用機に乗り込むバイデン氏(写真:AP/アフロ)
注目スケジュール
5月22日(日):世界保健機関(WHO)総会が開幕。28日まで
5月22日(日):テニスの全仏オープンが開幕。6月5日まで
5月23日(月):日米首脳会談が開催
5月24日(火):日米豪印4カ国(クアッド)首脳会談が開催
5月25日(水):FRBがFOMC(5月3、4日開催分)議事要旨を公開
5月27日(金):SBIホールディングスが2022年3月期決算を発表
🤔ひとこと
アメリカのバイデン大統領が就任後、初来日します。20日午前(日本時間)、アメリカを出発。韓国で、ユン・ソンニョル大統領と首脳会談を行なった後、日本を訪れる予定です。
首脳会談のテーマについて、NewsPicksのプロピッカーで上智大総合グローバル学部教授(現代アメリカ政治外交)の前嶋和弘氏は、下記が中心になるとみられると、コメント欄で述べています。
(1)危機を想定した日米同盟の再確認
(2)対中戦略でのすり合わせ
(3)経済安保の仕組みの強化
(4)ウクライナ支援など
コメント欄では、ほかにも多くの専門家やプロピッカーらが、来日の狙いなどについて意見を語っています。