2022/4/3

【韓国発】実験中「最新スマートシティ」の住み心地

INDEX
  • 釜山に登場した「未来都市」
  • スマートシティの輸出を構想
  • 生活データと交換で「家賃無料」
  • 大手と新興のテクノロジーが結集
  • 「未来の日常」を先取りする

釜山に登場した「未来都市」

韓国初の「スマートシティ」実験に参加したイ・ソンイ(30)にとって、自宅のリビングにある大きな鏡は、外出前に髪を整えるためだけのものではない。
高さが1メートル近くある鏡と、そばの壁に取り付けられたサムスン製のタブレットは、港町・釜山の外れに建設された「エコデルタ・スマートビレッジ」内にある、彼女の家の“中枢”だ。
リビングの鏡は、起動すると近未来的なタッチスクリーンになり、心拍数や前日の睡眠時間など、全身の健康状態をモニタリングすることができる。
各家庭に2台、備え付けられているサムスンのタブレットは、スマートハウスの内部を隅々まで見渡すことができる、バーチャルな“窓”のようなもの。
そこから、稼働中の家電製品、世帯が消費しているエネルギー量、郵便物の配達状況、冷蔵庫の中の食品の賞味期限など、あらゆる情報をチェックできる。
実験段階の「エコデルタ・スマートビレッジ」の街並み(Tim Franco/The New York Times)