2022/3/25

中国発『原神』の大ヒットが示す、日本ゲーム業界の危うさ

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INDEX
  • 中国ゲーム初の「世界的ヒット」
  • 和製RPGの「完コピ」で成功
  • 「アンチ」も脱帽するクオリティ
  • 「日本リスペクト」の姿勢に好感
  • 「海外展開」に舵を切る中国ゲーム
  • 日本の「人材流出」が止まらない

中国ゲーム初の「世界的ヒット」

世界でいま最も人気のあるモバイルゲームといえば『原神(Genshin Impact)』だ。
この作品には、巨大なロボット、等身大の剣、大きな瞳とツンツンした虹色の髪を持つキャラクター、メイド服の女性キャラへのこだわりなど、「日本発」の要素が詰め込まれている。
しかし、この話には裏がある。『原神』は、中国生まれなのだ。
2020年9月にリリースされた『原神』は、中国ゲーム業界にとっては初となる世界的ヒット作だ。
モバイルアプリを調査しているセンサータワーによると、発売初年度に20億ドルを売り上げ、モバイルゲームとしては過去最高を記録。また、他の中国の人気ゲームとは異なり、収益の大半を海外から得ているとみられる。
2000億ドル規模の世界のゲーム市場は、日本と米国が長年独占してきた。しかし『原神』の成功は、そのパワーバランスが変化していることを示唆している。
中国のゲーム会社は、広大な国内市場から得た資金をもとに、成長を求めて海外に目を向けている。
彼らは古くからのゲーム大国である日本を成熟したターゲットと見なしており、日本の人材の獲得を進め、日本のトップ企業を長年模倣して得た教訓を生かし始めている。
(Qilai Shen for The New York Times)