イラク北部に弾道ミサイル=イラン革命防衛隊が攻撃
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今朝イランは、北西部のカサバード基地から6発から12発のファティフ110弾道ミサイルを発射。
イラク北部のクルディスタン自治区を攻撃しました。
標的は首都アルビルのアメリカ大使館付近と思われます。
攻撃目的は不明ですが、先日イスラエル軍の攻撃で、革命防衛隊の2人の将校が殺害されたことへの報復との見方が有力です。
いずれにせよ、世界の目がウクライナに向いているこの時期に、ロシアを支持しているイランが、わざわざ自国からのミサイル攻撃というアクションを起こしたことはアメリカとの敵対意思の明確な表明と考えられ、核協議の中断も含めて国際情勢に影響を及ぼす可能性は高いです。イラン革命防衛隊は、「アルビルにあるイスラエルの諜報機関モサドの拠点2か所が標的だった」と主張しています(イラン国営ファルス通信)。
革命防衛隊員2名が先日シリアに置いてイスラエルの空爆で殺害されたことへの報復というのだったら、確かに米国の施設よりイスラエルの施設を攻撃する方が、筋が通ります。
クルド人自治区がイスラエルと深く結びついているのは事実で、経済や安全保障、教育など、総合的な支援がイスラエルから提供され、クルド人勢力も親イスラエルの立場です。
問題は、イラン国内からイラク国内へかなりの規模の攻撃が行われたことで、十分に侵略的な行為です。
現在、ウィーンでは、イランと欧米の外交団の間で、核合意の再締結に向けた交渉が進行中です。この交渉が妥結すれば、イランはヨーロッパに石油や天然ガスを輸出できるようになり、ヨーロッパ諸国むエネルギー資源を安定して確保できるようになります。
革命防衛隊としては、この交渉をぶち壊したいのでしょう。イラン国民全体としては、交渉が成功すると非常に生活が向上します。しかし、軍事的な緊張状態を続けたい、という人たちもいたりします。
革命防衛隊にとっては、欧米との関係改善など、イデオロギー的にも、経済利権の上でも、望ましくないのでしょう。