2022/3/2

【仲間求む】大企業から「協業支援」スタートアップに参画。UNIDGEが求める人材とは

AlphaDrive / NewsPicks for Business エディター / コラムニスト
「複雑な課題であふれた世の中になりましたよね」
協業支援を手がける株式会社ユニッジ(UNIDGE)の最高執行責任者である土井雄介と若木豪人はそう語る。
UNIDGEは新規事業創出を目的とした株式会社ユーザベース(Uzabase)グループ内の新規事業育成プログラム「think beyond」にて事業案が採択され、2022年1月に設立した会社だ。
同社は創業直後にもかかわらず既に受注が相次いでおり、事業拡大のために現在一緒に働く仲間を募集している。正社員、業務委託、インターン、それぞれ積極的に採用を進める。
今回は同社COO 土井雄介と若木豪人に、UNIDGEが目指す価値創出と求める人材について話を聞いた。
2人はトヨタ自動車株式会社(トヨタ)と、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)でキャリアを積んできたバックグラウンドを持つ。なぜ彼らは、協業支援に熱い思いを抱くのか。彼らがキャリアを通して感じてきた課題と、実現したい未来に迫った。
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Uzabaseのアセットを活かし、事業化へ

若木:UNIDGEは、Uzabaseの新規事業育成プログラム「think beyond」で準グランプリを受賞しました。起案者は、代表取締役 Co-CEOの2人である渡邉由佳と土成実穂です。渡邉は国内外のスタートアップ情報のプラットフォームを持つ株式会社INITIAL(INITIAL)、土成は新規事業開発を支援する株式会社アルファドライブ(AlphaDrive)の業務と両立しながら、子会社設立に邁進してきました。
UNIDGEが扱うのは、協業を「型化」し成功確率を上げるための支援サービスです。Uzabaseが運営する経済情報プラットフォーム「SPEEDA」と、スタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL」を活用し、協業候補を提案します。
協業先のマッチングだけに留まらず、UNIDGEは事業化まで支援します。具体的には、協業推進プログラムの設計をベースとした協業条件の整理から、協業候補先のソーシング、面談調整、検証実施までをサポートします。また、コーポレート・サービス・採用ブランディングなど、企業の課題の解決をコンテンツ制作で支援する「NewsPicks Brand Design」を通したPRも可能です。
提供:UNIDGE
土井:今後は支援サービスだけでなく、協業の業務効率化や精度向上を目的としたプロダクトも開発予定です。AlphaDriveは新規事業開発の伴走支援を行っているのですが、UNIDGEはそのオープンイノベーション版です。
事業開発において協業という選択肢を増やすことは、新たな価値創出に繋がります。そのためには、協業における不確実な要素を整理し、インフラを整え、企業が円滑に事業を進められるように支援しないといけない。
AlphaDriveが持つ支援の型や実績、SPEEDAとINITIALが持つデータなど、Uzabaseのアセットを協業支援に活用できるのは、ほかの企業にないUNIDGEの魅力でしょう。

当たり前に「協業」という選択肢を。メンターからCOOに

土井:設立前、僕は「think beyond」の事務局として活動していた一方で、UNIDGEのメンターでもありました。最終審査通過後に事業化が決定したのですが、引き続き僕がメンターとして介入し、立ち上げの準備を手伝いました。
UNIDGEのビジョンは、人とテクノロジーの力で企業が当たり前に「協業」という選択肢を選べる世界を実現し、人や技術、企業の可能性を最大化すること。実は僕自身、以前から協業やオープンイノベーションに対して、これまでやりきれていなかった企業の「新たな価値創出の手段」として大きな期待を抱いていました。
普段僕はトヨタとの複業としてAlphaDriveで事業開発支援をしているのですが、大企業では協業を検討したくても協業先の見つけ方や事業計画のつくり方がわからないといった深刻な悩みをよく聞いてきました。このような課題を頻繁に目にしていたことから、UNIDGEの事業とビジョンにビジネスパーソンとして非常に共感していました。
そこで、 Co-CEOの渡邉と土成に話し、COOとしてUNIDGEに参画することになりました。

NTT東日本での経験が、「2社兼務」に繋がった

若木:僕はもともと、AlphaDriveへの転職を希望し面接を受けていました。前職では、スタートアップとの協業にかかわったり、新規事業開発プログラムの運営をゼロから行い、国内外のスタートアップとの事業創造を手がけたりしていました。
自らの手で事業をつくるのは楽しかったのですが、次第に事業開発支援を通してもっと多くの業界に幅広く貢献したいと考えるようになりました。結果、企業の文化や組織変革に携わることができるAlphaDriveに惹かれて面接を受けました。
しかし面接後、採用担当者から「おすすめしたい案件がある」とUNIDGEを紹介されました。AlphaDriveの内定は難しかったのだろうかと不安になりましたが、話をよく聞いてみるとAlphaDriveに内定した上で、UNIDGEもやってみないかというお誘いでした。
土井:若木のことは、大企業の若手中堅有志社員の実践コミュニティである「ONE JAPAN」を通して知っていました。当時若木はNTTの有志団体のボードメンバーで、僕はトヨタの有志団体の共同発起人でした。若木がAlphaDriveの面接に来る前から、彼のオープンイノベーションプログラムを立ち上げてきた経験、人間性、能力を知っていたので、ぜひUNIDGEにも来てほしいと思いました。

「もったいない」を繰り返さない。協業のポテンシャルに注目

若木:メンバーと話をする中で、前職での経験を活かし役に立てると思うようになり、AlphaDriveとUNIDGEの両方に携わることになりました。
いまではあらゆる場面でオープンイノベーションが謳われていますが、僕が新卒でNTT東日本に入社した頃は、あまり認知されていませんでした。僕自身、社内で協業に挑戦しようと決めても、その後どうすればいいかわかりませんでした。当時の僕のようにどこから協業先を探し出し、誰に相談すべきかもわからないという悩みを持った大企業の社員は、いまも多くいるはずです。
このような課題に直面し、悔しさを感じていました。悔しさと同時に、「もったいない」という感情も強かったです。高いスキルを持った数多くの人材が、いざ協業に挑戦しようとしても、インフラが整っていないせいでアクションを起こせずにいる。
1社で解決できない複雑な課題も、組織を横断することで解決できるかもしれない。協業にチャレンジしたい優秀な人材が能力を発揮できず、課題も解決されないままである状況が、もったいなくて仕方がなかったです。
そこで、必要なプロセスがインフラ化されたら、社員はこれまでよりも円滑に協業を進めることができると考えました。もっと多くの協業が世の中に生まれると、解決できる課題も増えるはずです。
参画後、僕はUNIDGEで年間事業計画の達成に向けて営業戦略と採用戦略をつくっています。採用では正社員業務委託インターンを募集し始めました。

「大企業出身」が活かされる最大のポイント

土井:大企業の力学を理解しているかどうかは、協業支援において非常に重要なポイントです。というのも、UNIDGEの仕事は大企業特有の「不明確だけど重要な議論」がつきものだからです。例えば、新規事業を考えている大企業に向けて、我々がどういう提案をすべきか、0から状況を整理し提案をつくらないといけません。
僕はトヨタで仕事をする中で、「型をつくる力」を養わせていただきました。その後AlphaDriveで1年半仕事をしながら、新規事業創出に関して、複雑な議論を何度も経験し、事業や支援プログラムなどのあらゆる「型化」に必要なスキルを磨いてきました。
結果、この力がフラットなコミュニケーション力と確実な提案としてアウトプットされ、顧客の信頼に繋がっていると自負しています。
若木:大企業出身というキャリアは、組織の「意思決定者」の立場と考えがわかるという点で、大きな強みと言えます。大企業のキーパーソンを押さえて理解することで、より顧客に寄り添った提案と価値提供ができます。
例えば、大企業の社員が協業事業に挑戦したいと社内で提案したとします。意見が分かれた時、僕たちはどの立場の人が賛成し、そうでない人はどんな立場の人か、想像することができます。大企業の「中身と仕組み」がわからないと、一方的な提案ばかりになりお客様の価値創出に貢献できません。大企業にはどんな力学が働いているのかを理解していることで、はじめて協業支援ができるのです。

複雑な課題の処方箋は「オープンイノベーション」

若木:UNIDGEには、INITIALで事業会社の新規事業開発担当者に向けてスタートアップのデータを提供してきたCEOの渡邉、AlphaDriveで新規事業開発支援をしてきた土成、そして大企業出身の土井と僕が集まりました。スタートアップ、中小企業、大企業、全ての立場を理解しているメンバーが揃ったチームです。おかげで、事業が進むスピードはすさまじいです。
土井:実際に、たいへんありがたいことにUNIDGEは設立前からたくさんの受注をいただいております。設立後はとあるクライアント様から、プログラムの制度設計から協業先とのMVP期検証(顧客に価値を提供できる最小限の製品や、それを使ったアプローチ)のメンタリングまで行う、フルサポートサービスの受注をいただきました。我々が大企業における事業立ち上げの課題についてプレゼンした時、非常に共感していただけたことがきっかけです。
そのお客様は、10年近く新規事業創出プログラムや協業に挑戦してきた実績がある会社です。当時お客様から「UNIDGEの1つ目の事例になれたら嬉しいです。お互いの知見を盗み合い、素晴らしい価値を創り出しましょう」と力強い言葉をいただきました。
時代背景からしても、協業のポテンシャルは果てしないと考えています。語弊を恐れずに言うと、これまでの時代の課題は1つの組織で解決できるシンプルなものが多かったです。時代が進むにつれてあらゆる課題が企業によって解決されたいま、世の中には複雑な課題しか残っていません。
協業のように、組織を超えた価値創出こそが複雑な課題の解決策だと思います。

求む、「協業」に熱意を抱く者

若木:UNIDGEは立ち上がったばかり。現在は一緒に事業を拡大してくれる仲間を探しています。メンバーにはUNIDGEで「自分がやりたいこと」と「自分ができること」を最大限に活かし実現してほしいです。
UNIDGEの魅力は、なんといってもスピードと、自分の意思を事業に反映できること。もちろん社内のすり合わせ次第ですが、アイデアが採用されると迅速に進められます。自分の行動が会社の成果として顕著に現れたり、長期的には社会が少しずつ変わっていくのを目にすることができたり、大きなやりがいを得られるでしょう。
AlphaDriveも同様ですが、僕たちはコンサルタントではありません。協業、オープンイノベーション、新規事業開発制度を運営する事務局などに関わった経験は、中途採用をさせていただく上では重要視したいポイントですね。
土井:UNIDGEが1番大事にしているのは、顧客の成功体験です。事業会社の課題解決にちゃんと向き合えるよう、大企業と新規事業に対する高い解像度を持っていることが求められますね。

業務委託、インターンも。幅広く募集中

若木:業務委託やインターン生としてジョインされる方には、営業から顧客への提案、データの分析や整理などをしていただく予定です。UNIDGEはまだまだ少数のチームなので、ポジション関係なく横断的に仕事をしていただきます。チャレンジングな環境で成長したいという方にとって、非常に楽しい組織でしょう。
土井:UNIDGEの面白さは、大企業とスタートアップの協業から生まれる価値にあります。事業会社側では新規事業開発や、生産性向上を目的とした制度づくりなど、新たな価値創出に関する案件に携わることができます。UNIDGEに加わっていただける方はこの経験を通して、「越境人材」として新しい働き方や生き方を体現できると考えています。
僕自身、複数の組織にまたがることで事業をより加速させ、これまでになかった方法で課題を解決できている実感があります。クライアントの悩みに向き合うことで課題の本質を見極め、その上で価値創出できることを整理する。このプロセスを経ることで「越境人材」に必要な、オープンイノベーションを型化する力がつきます。
この先1、2年は既存の型のブラッシュアップを行う予定です。自分が顧客に提供した価値が、会社の事例となり型となります。協業の成功確率向上に寄与する経験は、UNIDGEだけがもたらすことができる貴重な経験だと思います。事業会社への熱い思いを持ちながら、スタートアップや中小企業との協業で組織の価値創出を追求したい方とは、心の底からご一緒したいです。
若木:もちろん、我々のビジョンと課題感に共感いただき、オープンイノベーションに挑戦してみたいという方にもお会いしたいです。

ボーダーレスで複雑な時代、協業で企業はもっと輝く

若木:世の中の課題が複雑化すると、あらゆることがボーダーレスになります。企業間だけでなく、地域間、自治体と民間企業など、元々明確に引かれていた線がここ数年でどんどん薄れていくのを僕は見てきました。
前職で地方創生やスマートシティに携わっていた頃、とある県が自治体として他県と協力し送客しあうことで、双方のポテンシャルを活かしながらお互いの土地にお金を落としてもらうという仕組みをつくった事例を見ました。これまでは市町村、都道府県、国など、行政ごとに課題を解決するのが当たり前でしたが、今後10年の課題はより複雑化すると予想すると、オープンイノベーションなしには乗り越えられない。
このように、企業だけでなく地域でも協業やパートナーシップが選択肢にあります。コラボレーションが求められる時代だからこそ、我々もサービスを通して協業を支援し、お客様に価値を提供したい。そのために、これからもUNIDGEのサービスを磨き続け、同時にプロダクトも開発します。
土井:若木が話した通り、新規事業や起業の手段の1つに、オープンイノベーションがあります。協業は、これまで僕が新規事業支援をしながらずっと実現したかった「事業創出の手段」です。
僕は「思いある挑戦者が、ちゃんと報われる世界」をつくりたくて、これまで事業開発支援に奮闘してきました。思いがある人たちが事業をつくり、お金を稼いでサステナブルに生きる。このプロセスを支援できると、思いある人たちの可能性が広がり、もっと挑戦する人も増えるはず。
これまで数多くの新規事業開発に携わってきましたが、オープンイノベーションという手段をやりきれていなかった。どうにかできないかと頭を抱えていたところ、今回UNIDGEと出会いました。
協業によって新たな価値創出を実現することで、大企業はもっと輝けると思います。前向きな未来が見える限り、僕は大企業をあきらめない。企業の可能性を信じ、UNIDGEの協業支援事業を推進していきます。
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