2022/1/25

驚きの論文工場。中国発「フェイクペーパー」が増殖中

NewsPicks編集部
近年、中国で組織的にフェイクペーパー(ニセ論文)を「製造」する業者が存在するとの指摘が相次いでいる。
ペーパーミル(論文工場)」と呼ばれる業者だ。
英科学誌ネイチャーの集計によると、2020年1月~2021年10月に少なくとも665報もの論文がさまざまな科学誌から撤回された。いずれもペーパーミルとの関連が指摘された論文である。
フェイクペーパーによる汚染が広がると、築き上げられた科学の信頼は崩壊してしまう。
科学誌の編集者は、フェイクペーパーを見破ることにエネルギーを費やさなければならなくなった。本来は不要な労力だ。
日本分子生物学会のオフィシャルジャーナルである「Genes to Cells」編集室のマネージングエディターを務める湯浅達朗氏が、ペーパーミルの驚くべき実態と、不正な投稿論文との水面下での攻防を明かす。
INDEX
  • 最初に気付いた「不自然さ」
  • 「論文工場」の正体とは
  • 論文1報100万円から?
  • フェイクペーパーを見抜くには
  • 科学のシステムが危機に
  • 背景の「根本問題」を解決せよ