(ブルームバーグ): 米マイクロソフトはサーバー用チップを自社で開発する取り組みを拡充するため、ベテランの半導体設計者をアップルから引き抜いたことが事情に詳しい複数の関係者の話で分かった。

未発表の人事だとして関係者が匿名を条件に話したところでは、マイク・フィリッポ氏はマイクロソフトのクラウドコンピューティング事業「アジュール」グループでプロセッサーの開発に取り組む。フィリッポ氏はアームやインテルで勤務した経歴も持つ。マイクロソフトの広報担当はフィリッポ氏の採用を確認した。

こうした動きはマイクロソフトがアジュール用サーバーのチップを自前で開発する取り組みを加速していることを示唆する。クラウド分野でマイクロソフトのライバルであるアルファベット傘下グーグルやアマゾン・ドット・コムは、同様の取り組みで先行している。

半導体自社設計へのシフトは、マイクロソフトと長年提携してきたインテルやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の立場を弱める可能性がある。インテルの株価は12日、このニュースを受けて一時2%下落。AMDは1.1%下げる場面もあった。

アップルにとっては、フィリッポ氏の退社は有力エンジニアをまた1人失うことを意味する。同氏はインテルで5年間勤務した後、アームで10年間、半導体設計のトップとして勤務し、2019年に半導体設計者としてアップルに入社していた。

ブルームバーグは20年に、マイクロソフトがサーバー向けプロセッサーの自社開発を進めていると報じていた。

マイクロソフト、サーバーやサーフェス向け半導体を自社設計-関係者

 

原題:

Microsoft Hires Key Apple Engineer to Work on Custom Chips (1)(抜粋)

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