2021/12/22

【本日上場】日本の金融システムを作り変える、Finatextの野望

濵田 尚子

NewsPicks マクロ・マーケット担当記者

日本の金融のデジタル化（DX）が進もうとしている。

銀行や生保などの大手金融がデジタルサービスの強化を急ぐほか、小売や航空会社、モビリティーなど、あらゆる業種がテクノロジーを駆使した金融事業への参入をもくろむ。

そんな流れを裏方として支えるのが、証券や保険に関するシステムを提供するFinatext（フィナテキスト）ホールディングスだ。今日、東証マザーズ市場に上場する。公開価格ベースのPSR（株価売上高倍率）が24倍を超えるなど、株式市場からの評価は高い。

「切腹覚悟でチャレンジする」

林良太CEOの抱く野望は大きい。Finatextは日本の金融をどう変えようとしているのか。林CEOと伊藤祐一郎CFOを直撃した。

INDEX

• 駆り立てる使命感
• 巻き起こるスーパーアプリブーム
• メインアプリの座、争奪戦
• 富裕層向けに勝機
• トヨタが証券業に参入？
• 投資家の注目ポイント

駆り立てる使命感

──Finatextは既存の金融ITシステム会社と何が違うのですか？

コメント

注目のコメント

• Hayashi Ryota

  Finatextホールディングス Co-Founder & CEO

  ・2021年12月23日

  大々的に取り上げていただきありがとうございます！あらためて12/22、Finatextホールディングスは東証マザーズに上場しました。厳しい船出ではありましたが、しっかりとここから結果を出していけるよう、全力で頑張りたいと思います。
• 佐藤 元則

  NCB Lab. 代表

  ・2021年12月22日

  日本の金融サービスがFinatextで変わるかもしれません。こういう会社が日本には少ないため、FinTechも生まれない。ユニークな金融サービスも生まれない。そういう状態が続いていました。
  
  「電力だったら送電線を変えるくらいのスケールでやっていきたい。」という野心的な夢と情熱。旧態依然とした日本の金融サービス風景が変わりそうです。
• 濵田 尚子

  NewsPicks マクロ・マーケット担当記者

  ・2021年12月22日

  米ロビンフッドのような革新的な金融サービスが日本ではなぜ生まれないのか。やはり、国民の投資などに対するスタンスの違いが一番大きいとは思います。でも、BaaSによってコストや手間が抑えられれば、少なくともいろんなプレイヤーがトライできるようになるはず。その中から1つでも画期的なサービスが生まれればおもしろいな、と期待します。
  今回はエンべデッドファイナンスの可能性について詳しく聞きましたが決済プレイヤーを除けば圧倒的な成功事例は世界中を見ても少なそう。インタビューには盛り込めませんでしたが、伊藤CFOが「色々仕込んでいて今後の潮流を作るかもしれない」と指摘していた米ウォルマートの動向をウォッチしていきたいと思います。