[ワシントン 15日 ロイター] - バイデン米政権のファウチ首席医療顧問は15日、既存の新型コロナウイルスワクチンの追加接種(ブースター接種)は新たな変異株「オミクロン株」に対して有効であり、同変異株に特化した追加接種は必要ないという見方を示した。

ホワイトハウスで記者団に対し「追加接種プログラムはオミクロン株に有効だ。現時点で変異株に特化した追加接種は必要ない」と述べた。

自身が所長を務める米国立アレルギー感染症研究所が米モデルナと行った研究を基に、同社製ワクチンの2回接種では、オミクロン株に対する中和抗体の水準は「かなり低い」と指摘した。

また、追加接種から2週間後のデータでは、中和活性が大幅に高まりオミクロン株に対応できるレンジになることが分かったという。

米ファイザーと独ビオンテックは先週、共同開発したワクチンについて、3回接種でオミクロン株に対しても高い効果があることが確認されたと発表。ただ、2回接種のみでは中和抗体の量が大きく減少したと明らかにした。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)はオミクロン株に対するワクチン効果についてまだデータを公表していない。

米疾病対策センター(CDC)のワレンスキー所長は、オミクロン株は少なくとも36州で確認され、新規感染者の約3%を占めていると説明した。

依然としてデルタ株が大半を占めているとしながらも「今後数週間でオミクロン株の割合が増える見通しだ。初期データでは、オミクロン株はデルタ株より感染力が強く、約2日で(感染者が)倍増することが示唆されている」と述べた。

また、高齢者施設でワクチン接種を終えた入居者の感染が増加し始めているが、追加接種を受けた入居者は感染率が10分の1にとどまると指摘した。