EUはなぜEVにこだわるのか? ゲームを変えた“脱炭素マネー”と環境策の名を借りた「保護主義」(サンデー毎日×週刊エコノミストOnline)
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このためにEUを作ったのではないかと思うほど、脱炭素戦略でEUは機能している。
戦略論の基礎であるコトラーの「競争地位戦略」で考えれば、20世紀後半以降の自動車業界におけるリーダーは日本であり、米国、欧州はチェレンジャーの位置に転落。中国という新しい競争相手も出てきた。
リーダーは市場が均質化するほど有利であるのに対し、チャレンジャーはリーダーと同じことをやっていてはダメ。市場構造を変えないとなかなか勝てません。
欧州がやろうとしていることは極めて教科書的に「市場構造を変えること」です。これを(企業単位ではなく)EU全体で取り組んでいることが脅威です。なぜ国家という概念が生まれ、税を払う理由があるのかという意味では、国民にメリットがあるからです。
EUという大きな単位で定義することのメリットは保護貿易でしょう。特に車はわかりやすい。ドイツ、フランス以外に対した自動車産業はないので、まとまりやすい。
露骨に貿易を保護することは現代ではできないので、脱炭素という戦略目標を作り、そのルールでアメリカと日本、中国から産業を守る。その背景にあるのは再生エネルギーがEU域内で調達できる事です。
トヨタがあれだけ反発するのは国家単位でのルールチェンジをされているのに日本政府がどうも分かっていないし、再エネの調達コストが高いから。時間を稼ぎたいわけですね。