(ブルームバーグ): 米医薬品メーカーのバイオジェンはエーザイと共同開発したアルツハイマー病治療薬「アデュヘルム」(一般名アデュカヌマブ)」について、米食品医薬品局(FDA)の承認に至った異例の経緯に対する批判には「著しい偽情報と誤解」があると、22日の公開書簡で反論した。

アデュヘルムについては、認知機能の低下を遅らせることが示されていないにもかかわらず、脳内の有害タンパク質、アミロイドβ(ベータ)の減少を示したことに基づき、FDAが6月に迅速承認。以来、批判が高まっている。

エーザイ・バイオジェンの認知症薬、FDAトップが承認過程の調査要請

バイオジェンのミシェル・ボナッソス最高経営責任者(CEO)は22日、投資家との電話会議で「審査プロセスは公正だったとバイオジェンは断言する」と述べた。

アル・サンドロック研究開発(R&D)担当執行副社長兼最高メディカル責任者は公開書簡の中で、「正当な科学的議論の境界を越えたものもあった」と、過剰な批判を指摘した。審査の過程は「通常とは異なる経路」をたどったことを認めながらも、「迅速承認に至った審査過程は入念で徹底的なものだった」と断言した。

通期見通し引き上げ

バイオジェンは通期売上高見通しを引き上げ、アデュヘルムがすでに第2四半期(4-6月)で200万ドル(約2億2000万円)売り上げたことを明らかにした。全体の通期売上高は106億5000万ドルから108億5000万ドルを予想。従来見通しは107億5000万ドルだった。

第2四半期の調整後1株当たり利益は5.68ドル。アナリスト予想は4.48ドルだった。売上高は27億8000万ドルで、アナリスト予想の26億2000万ドルを上回った。

原題:Biogen Blasts Criticism of Alzheimer’s Drug as “Misinformation”(抜粋)

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