2021/7/22

【遠藤航】衝撃の市場価値600%アップに隠された「思考法」

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日本サッカー界において「いい選手のひとり」だった男は、たった1年で「絶対に欠かせない存在」へと変貌を遂げた。
選手の推定市場価格を発表するドイツの移籍専門サイト「transfer market」(トランスファーマーケット。世界中のクラブ、代理人が注視するサッカー界においてもっとも影響力のあるサイトのひとつ)によると昨年の8月時点で160万ユーロ(約2億円)だった彼の市場価値は、2021年6月9日時点で1000万ユーロ(約13億円)にまで跳ね上がった。
選手の市場価値と年齢は切っても切れない関係があり、若い選手であればあるほど「価値が高い」とされる。毎年のように10代でスター候補選手が生まれるサッカー界において、27~28歳になる1年で600%を超えるアップを果たすのは並大抵のことではない。
シュトゥットガルトMF・遠藤航。
サッカー日本代表の不動のレギュラーにして、今夏の東京五輪日本代表でも吉田麻也(サンプドリア)、酒井宏樹(浦和レッズ)とともにオーバーエージ枠で選出された「ボランチ」に、その急成長の秘密を直撃した。

ドイツNo. 1に輝いた「デュエル」の意味

遠藤航の枕詞になったのが「デュエルキング」だ。
デュエルは決闘を指すドイツ語で、サッカーにおいては1対1と表現されることが多い。2020―21シーズン、遠藤はこのデュエル勝利数でブンデスリーガNo. 1に輝いた。公式サイトにも紹介される、れっきとした公式記録である。
それにしても、日本人が4大リーグで「1対1」でトップに立つことなど、誰が想像しただろうか。
「シーズンの後半は、ここまで来たらトップで終えたいと密かに狙っていましたけど、シーズン前には僕自身も想像できなかったですね。