【実例】ブリヂストンが、タイヤの「サブスク」に本気な理由
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IoTの世界は「ポジション争い」の側面があると考えています。
例えば、室内空間の照明は、人やモノの動きが発生する場所に設置されるのでセンシングのポジショニングとして最適です。
しかも、天井に設置されているので見晴らしがよい=データを集めやすいし、通信環境においてもさえぎるものがない。さらにはすでに電気が通っているので、新たに電気配線を敷いたりセンサーの電池交換が必要ない。
一方、自動車を巡る革命では、地面に唯一接する=路面情報がダイレクトに伝わるパーツである、タイヤに優位性があるはずです。
加えてタイヤは、もっとも頻繁にメンテナンスが必要なパーツの一つでもあります。メンテナンスのタイミング=「顧客接点の機会」なので、サブスクのような継続取引と相性が良いといえます。
ブリヂストンが手がけるタイヤのほかにも、コマツが進めている建設機械のIoTサービス「コムトラックス」や、土木建設業界のプラットフォーム「ランドログ」など、先進的な取り組みがあります。
コマツも最初は建機をネットワーク化することで、「盗難防止」に役立つという、一見すると地味な「ご利益」で顧客にメリットを感じてもらいことから始まりました。そこからサービスが広げり、今や日本で最もデジタルサービス化が進んでいる製造業の1社になりました。
ブリヂストンも、まずは環境にやさしいリトレッド(タイヤの張り替え)や環境が限定された航空機からサービス化をはじめ、徐々に高度なサービスへとステージを上げていく点で、ビジネス変革の基本的ステップとして広く参考になると思っています。ブリジストンはかなり可能性を秘めている会社だと思います。モビリティシステムそのものがどうなるかというリスクはありますが、地面に接するヴィークルであることはしばらくは続くでしょうし。
悩ましいは、市場シェアが15%程度で、ある程度強い大手はミシュラン、グッドタイヤとあわせて3強ぐらいにはなっていますが、まだまだ細分化されている業界である点です。
同じくサブスクリプション化で大成功を収めた企業にAdobeがありますが、市場シェアはプロダクトごとに5-60%ありました。高いシェアだからこそ、LTVを最大化させる戦略として機能しました。ブリジストンのパーソナライズはある意味、D2C企業が挑戦している要素をD2Cというフォーマットに拘らず実現することで、他プロダクトと差別化していくことにもあると思います。
LTVを最大化していくのか、プロダクトとしての他社との差別化を図り市場シェアを引き上げていくのか、どちらを軸にこの戦略を実装していくかは、今後注目していくべき点だと思います。製造業からソリューションプロバイダーにシフト、という内容ですね。
ブリヂストンさんのサブスク、と楽しみに読んだのですが、サブスクリプションとはちょっと違う感じでした。
読んでいて、ビジネスモデルの観点から「サブスク」というわけではあまりなくて、実際にブリヂストンさんも同キーワードには一回軽く触れるだけ。本論はサブスクではないです。
本ビジネスのコアは、「データドリブンな経営による単純なメーカーからの脱却」になります。
サブスクはマーケティング特性、固定費ビジネス、ユーザ購買習慣など、成功の型があります。
モデルをきちんと捉えないで流行りに乗る形だけだと紳士服のように失敗に終わる可能性が高いです。
日本のメディアは、ややバズワード的に
「定期課金モデル=サブスク」
と解釈して連呼している部分もありそう。
本件、少なくとも記事の総括が「サブスクに本気」というのは、目を引きますが、信じる読者をミスリードしそうで、ブリヂストンさんの本位でもないのでは、と。やや邪推かもですが。
今の時代、データドリブルとかよりもサブスクのほうがアクセス増えるのは分かります。
スポーツ紙とかならまだ、ね、、
ブリヂストンさんをサブスク事例とかでは理解せず、内容をしっかり読んでご自身で咀嚼いただくのが良いと思います。