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中華民族の偉大な復興は「不可逆的」 習近平氏、共産党100年式典で演説

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  • 笹川平和財団 上席研究員

    習近平総書記の講話は、大きく2つの部分からなります。一つは、これまでの歴史と成果を振り返り、中国共産党による中国統治の正統性と正当性を誇示する部分です。いかに中国共産党が万能であるのかを誇張するのです。もう一つは、「2つの100年」の一つ目の100年(中国共産党結党100年の2021年である今年)から二つ目の100年(中華人民共和国成立100年の2049年)までに何をするかという部分です。
    最初の部分で扱われた中国共産党が成し遂げたものは、主として国内問題の解決です。統一もそうですが、何より最初に謳われたのが、鄧小平氏の指示である「小康社会の達成」です。小康社会とは、国民が皆、ある程度豊かになった状態を指します。昨年末から中国の各地方、そして中央政府が「脱貧困を達成した」と主張していたのは、この小康社会を達成する一つの指標にしたかったからです。
    これにより、習近平総書記は鄧小平氏の指示を達成したことになり、鄧小平氏の時代は終わったことになります。これからは、習近平氏の時代「新時代」であるというのです。
    そこで講話は、「社会主義近代化強国の建設を完了する」ことを二つ目の100年(2049年)までの奮闘目標として掲げています。強国というのは他国に対して強いという意味です。これから2049年に向けて、中国は国際社会において中国が秩序形成を主導すると言うのです。
    講話では、「中国は国際秩序の守護者である」と言いながら、「新型国際関係を構築する」と述べています。中国は、現在の国際秩序が欧米によって作られたもので、これは受け入れられないといい、自ら新しい国際秩序を作ると言うのです。中国が守護するのは、現在の国際秩序ではなく、中国が打ち立てた秩序であるという意味です。
    中国がこれから取り組む国際社会における中国のステータスの問題について、その基礎になるのは、やはりマルクス主義でしょう。講話には「現代中国マルクス主義、21世紀マルクス主義を継続発展させる」と明記しています。そして、人民解放軍を世界一流の軍隊にするという目標も二つ目の100年までに達成されるのです。
    国民を豊かにして国内問題を解決したと主張する中国共産党は、今後、国際社会において中国が納得するステータスが得られるまで強引な主張と巧妙な懐柔の両方を使い分けてくるでしょう。


注目のコメント

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    NASA Jet Propulsion Laboratory 技術者・作家

    中華民族の偉大さは言うまでもない。起源を四大文明のひとつに遡り、文字を独立に発明した数少ない文明の一つで、古代には偉大な哲学者や詩人を輩出し、紙、火薬、羅針盤などの工学的発明においてもその創造性は抜きん出ている。

    他民族や他文明を征服し抑圧したことは、その偉大さの理由では決してない。香港やウイグルで起きていることは、この文明の偉大さを貶めるものとして歴史に残るだろう。

    日本だって同じだ。日本が偉大だとすれば、その理由はトヨタの車であり、ソニーのトランジスタラジオであり、日清の即席麺やJAXAのはやぶさであって、決してアジアを一時的に武力で征服したからではない。アメリカの偉大さもライトフライヤーやアポロであり、民間人の頭上に原爆を落としたり枯葉剤を撒いたりしたことではない。

    文明は何を破壊したかではなく、何を創造したかで測られる。中華文明が真の意味で偉大であり続けることを強く願う。


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    中国 対外経済貿易大学 国際経済研究院 教授

    天安門広場で生演説を聞きました。

    外国人専門家代表として、先日の鳥の巣で開催された祝賀行事と本日の式典に参加してきました。

    盛大な軍事パレードはなく、国旗掲揚、共青団員の宣言などがあり、メインは習近平総書記の重要講話でした。

    恐らく色々な報道や論評が日本でも報じられると思いますが、私が現場で見たこと感じたことと、どこが同じでどこが違うのかに注目したいと思います。


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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    「中国夢(チャイニーズ・ドリーム)」とも称される「中華民族の偉大な復興」は、習近平体制で中国共産党規約に書き加えられました。マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論などと並ぶ行動指針とされ、習近平体制の看板です。これまでも繰り返されてきたし、この場でいわれない訳はありません。
     しかし、この「中華民族の偉大な復興」が具体的には何なのか、「国家の富強、民族の振興、人民の幸せ」という説明はよくされますが、なお具体的ではありません。
     それに、「中華民族」とは誰のことなのかも、具体的なことは党規約や憲法では書かれていません。法律で使われる言葉でもありません。中国人であっても、よくわからないでしょう。政府も共産党も定義していないのですから。
     中華人民共和国の憲法では、中国は56の民族がいる多民族国家であるとされています。「中華民族」は、その中の1つではないし、かといって56の民族の総称が「中華民族」であるという定義はされていません。中国国民は全て「中華民族」であると解釈せざるをえないのですが、「中華民族」はそこまで明言せずに、意図的に曖昧に使われてきた言葉といえます。
     そもそも、「中華民族」は、曖昧にしておくことに意義がある言葉といえます。「中国夢」は、一帯一路や祖国の統一(台湾併合)ともよくセットで国家的目標として掲げられています。「中華民族」が歴史的に活躍した範囲は陸のシルクロード、海のシルクロードを含め、現在の中国の国境内の領域をはるかに超える範囲であるといえるし、そのことは近年しきりに強調されます。「中華民族の偉大な復興」はどこの範囲までかは曖昧にされていますが、範囲を定義しない方が使い勝手のよい国家目標です。

    中国共产党章程
    (中国共产党第十九次全国代表大会部分修改,2017年10月24日通过)
    http://politics.people.com.cn/n1/2017/1028/c1001-29614278.html


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