2021/6/3

【実録】チョコレートの黒子企業はこうして「ESG」を実現した

NewsPicks副編集長
たった5年間で、企業は変わることができる──。
この1〜2年で急速に気候変動や人権意識が高まり、企業はESG対応を迫られるようになった。急な変化を迫られ、戸惑う企業も少なくないだろう。
そんな中、経営陣が本気でESGに取り組み、数年間で先進事例として語られるようになった日本企業がある。
植物性油脂や業務用チョコレートを手掛けるBtoB企業、不二製油グループ本社だ。
不二製油が扱うパーム油やカカオ豆は、サプライチェーン上に人権侵害や環境破壊の懸念がある原料として認知されている。
それを使わなければビジネスが成立しない一方で、ESGに本気で取り組まなければ消費者からの批判浴びる、難しい立場に置かれてきた。
実際、2014年にはNGOから人権侵害などの可能性を指摘され、不二製油は大きなレピュテーションリスクにさらされていた。
そこからたった数年間で、ESG経営の代表企業となった。いかにして危機を乗り越えたのか。ESGを推進してきた酒井幹夫社長に聞いた。
INDEX
  • 知られざる食品の「黒子企業」
  • NGOからの「痛い指摘」
  • 1000以上の工場を「全把握」
  • 児童労働は「仕組み」で解決
  • 無視すれば「ビジネスが消える」
  • 「業界再編」のきっかけに
  • 「C“ESG”O」に込めた狙い