【3分理解】菅バイデン報道から、抜け落ちていること
- 朝日:日米、声明に台湾明記 中国との競争、連携強調 首脳会談
- 読売:日米、対中で同盟深化 台湾の平和重要性強調 香港・ウイグル人権懸念
- 毎日:日米52年ぶり台湾言及 「海峡の平和重要」 首脳会談声明
- 日経:日米首脳会談 「中国」「脱炭素」米が問う覚悟 「台湾」52年ぶり共同声明に
- 産経:日米声明「台湾」を明記 対中国結束で一致 香港・ウイグル人権に懸念
- 絶望的なまでの「温度差」
- 「表敬訪問」だったのか
- 外交が「正常化」した証なのか?
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レーガン大統領と「ロン」「ヤス」と呼びあったということをしきりに誇示したのは中曽根首相の時ですが、そういうことはいわば小技であって、向こうは国益に関わることをそんな個人的な関係で左右するはずがありません。
ファーストネームとか一緒に温泉に入ったとかいう枝葉末節よりも、日本の国益は何で、それを最大限に達成するためにどのような取引ができたのか、が最も注目されるべきでしょう。
今米国が抱えている最大の外交課題は、対中国関係と対ロシア関係です。日本で報じられている東京オリンピックなど、全くどうでもいいでしょう。
対中国関係は、最近だと中国の台湾への軍事的侵攻をいかにして牽制するか、が課題で、米国が日本に最も期待していることでしょう。日本側は非常に踏み込みたくなさそうですが、台湾海峡の安全保障については、共同声明に入れざるをえませんでした。
米国にとって差し迫っているのは、今だと対ロシア関係の方です。ロシアはウクライナ国境に10万近い兵力を集結済みで、いつ侵攻が始まってもおかしくない状況です。米国とヨーロッパの同盟国は、軍事的オプションも含めて猛スピードで対応を詰めています。オリンピックのことなど気にかけている場合ではないでしょう。
日本がウクライナ方面でできることは少ないでしょうが、米国の主要な同盟国であるならば、対ロシアの経済制裁などの共同歩調をとってもらいたいでしょう。しかし、日本政府がロシアをおもんばかって、共同声明ではロシアへの言及はありませんでした。
米国に拠点を置く記者として、今回の日米首脳会談の様子を一応きちんとまとめて置かねばと、あらゆる米国での報道をとりあえず漁り始めたら、日本との絶望的な温度差に衝撃を受けました。
もちろん外交上の「果実」は、メディアの報道と比例するものではないはずなので、これは一つの景色に過ぎませんが、アメリカや世界から見える日本の立ち位置(特に中国との比較において)や、それを取り巻くランドスケープとして、知っておいて損はない"ファクト"だと思います。
知っておくべき温度感の違いだと思います。
日本では、「バイデン大統領が初めて対面で迎える首相が日本」とこれがすごいこと、と話されているのを聞いて違和感がありましたが、この報道の違いで納得。
一つだけの視点ではなく、"違う側のものも見る"というのは理解を深める上でも大事ですね。
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