2021/3/14

輸送遅延に運賃高騰。物流ネットワークを襲う「空前の混乱」

INDEX
  • ハブ港を悩ませる「大渋滞」
  • アジアの食料価格にも影響
  • 地球を「縮小」したコンテナ革命
  • 需要にインフラが追いつかない
  • 大混乱はこうして始まった
  • 「巣ごもり消費」が生む運賃上昇
  • 行き場を失うコンテナ船
  • 近隣港にまで渋滞が拡大
  • 空(から)のコンテナを運ぶ矛盾

ハブ港を悩ませる「大渋滞」

ロサンゼルス沖には、20隻を超えるコンテナ船が、エアロバイクや電子機器など人気の輸入商品を載せたまま、もう2週間も停泊している。
一方、カンザスシティでは、農家がアジア向けに大豆をなかなか出荷できずにいる。中国では、北米向けの家具が工場の床に積み上がっている――。
新型コロナウイルスのパンデミックによって、世界中で貿易が大きく混乱している。商品の輸送コストは跳ね上がり、世界経済の回復に新たな課題を突きつける。ウイルスによって、大陸間の物流のバランスが崩れてしまっているのだ。
この嵐の中心にあるのが、グローバル化の現場で大きな役割を果たしてきた「輸送コンテナ」だ。
貨物船が渋滞するロサンゼルス港(Coley Brown/The New York Times)