輸送遅延に運賃高騰。物流ネットワークを襲う「空前の混乱」
- ハブ港を悩ませる「大渋滞」
- アジアの食料価格にも影響
- 地球を「縮小」したコンテナ革命
- 需要にインフラが追いつかない
- 大混乱はこうして始まった
- 「巣ごもり消費」が生む運賃上昇
- 行き場を失うコンテナ船
- 近隣港にまで渋滞が拡大
- 空(から)のコンテナを運ぶ矛盾
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数字をみても1-2月は中国の輸出が60%も増加しているので輸送キャパがついてきていない状況。貿易の拡大は経済の回復にもつながり輸出ドリブンな新興国は外貨の獲得にもつながる。
問題はワクチンの普及などによりこのモノの動きのトレンドが変わると船やコンテナが不要になるので逆のことが起きると予想され、踏み込んだ輸送キャパの拡大もできないことでしょう。
https://this.kiji.is/741180082735742976?c=113147194022725109
コンテナはグローバル経済を成り立たせているイノベーション。規格化されることによって海上輸送だけでなくその前後の陸上輸送から積み下ろしまで全部が効率化された(興味がある方は、是非①のコンテナ物語という本を)。
そして、コンテナ船は「定期船」と呼ばれて、スケジュールがある。物量が増えることで、頻度と規模が大きくなって、世界最大級のコンテナ船は一気に2万個以上のコンテナを運べる(②)。そしてそれを前提にグローバル経済、グローバル分業は成立して、これまで進化してきた。
ただ効率的なサプライチェーンは、震災時などもそうだったがそこがどこか崩れると一気に玉突きが起こる。そして玉突きが起こると、不安が生じ、過度な発注・確保なども起こりがち。
昨年10月くらいにはコンテナ価格自体の報道が出始め(③)、コンテナ船の運賃も高騰(④)。⑤は年初の記事だが、最初に米国向け、その後欧州向けの価格が時間差で上がっているのが興味深い。米国向けが高騰しているのは6月くらいから。
長期文脈では、⑥でKenjiさんがコメントされている「ESGのせいでの意図しないインフレ」という可能性も気になっている。20-30年使う船舶はその代表例だし、様々なエネルギー関連設備・消費産業は、需要がありながら供給増のための投資が絞られる可能性(価格が上がるから事業としてはどうにかなるし)。
①https://amzn.to/3llwlk7
②https://www.logi-today.com/283109
③https://newspicks.com/news/5330996
④https://newspicks.com/news/5399761
⑤https://newspicks.com/news/5523917
⑥https://newspicks.com/news/5669276
今回の新型コロナによる経済的打撃(コロナショック)が、世界金融危機や世界恐慌と異なるのは、まさにこうした供給停滞ショックがあること。サプライチェーンが人為的に寸断されている。需要が落ち込んでいるのではなく、供給が増やせない面が、物流に現れている。
世界金融危機のアナロジーで需要減退ショックだけを見て、コロナ後はデフレ・低インフレと見ると、見誤る可能性のある要素がコロナショックにはある。
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