2021/3/4

【新】「一億総データアナリスト」の時代がやってくる

博報堂生活総合研究所 上席研究員
昨今、さまざまなシーンで人間理解のスキルがますます必要とされている。
コロナ下でアップデートされていく消費者のニーズを先読みするにも、働き方が大きく変わる中で職場を円滑にマネジメントするにも、「人の欲求や価値観を高解像度で理解する」という態度が欠かせない。
その、人間理解のための強力なツールとして注目されるのがビッグデータ分析だ。
生活のあらゆるシーンがデジタル化される中で、われわれの行動は逐一データとして記録されるようになった。これらのデータを分析すれば、本人たちも気づいていないような行動様式や、見えざる価値観を可視化することができる。
もっとも、ビッグデータを人間理解に活用するという発想自体は以前から存在したもの、自らそれを実践しようとする人は少なかった。
というのも「ビッグデータはデータサイエンティストにしか扱えない」「そもそも、活用できるようなビッグデータが手元にない」という思い込みがあったからだ。
だが、いまやビッグデータそのものも、ビッグデータを分析するツールも、われわれが考えているよりはるかにオープンになっている。
そんな、オープンなデータとツールを駆使した、いわば「万人向けのビッグデータ分析法」を提案する1冊が、『デジノグラフィ』(博報堂生活総合研究所/宣伝会議)だ。
今週の「The Prophet」では、その著者である、博報堂生活総合研究所の堀宏史氏、酒井崇匡氏、佐藤るみこ氏にインタビュー。前編では、同書のエッセンスを要約しながら、ビッグデータを介して人間を理解するための手法に迫っていこう。
左から、博報堂生活総合研究所の酒井崇匡氏、堀宏史氏、佐藤るみこ氏

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