(ブルームバーグ): 米アップルは、自動運転センサー「LiDAR(ライダー)」を供給する複数の業者と協議に入っていると、事情を知る複数の関係者が明らかにした。同社初の乗用車開発に向けて重要な節目となる。

協議が非公開だとして匿名を条件に話した関係者によると、アップルは多数のLiDAR供給業者と活発な議論を進めている。LiDARは自動運転の「目」となり、レーザー光を利用して周囲の状況を把握するセンサー。アップルは数年前から自動運転車プロジェクトに取り組んでおり、高度なシステムに必要なソフトウエアやプロセッサー、人工知能(AI)アルゴリズムの大半は自社で開発してきた。

関係者によれば、同社は「iPhone(アイフォーン)」でそうしたように、自動運転車に欠かせないハードウエアについては外部業者から供給を受ける考えだという。アップルの広報担当者はコメントを控えた。

ここ数カ月では少なくとも6社のLiDAR企業が吸収買収される形で株式上場した。グーグルの親会社アルファベットのウェイモ部門やゼネラル・モーターズのクルーズ部門など、自動運転車の商品化を目指す主要企業の多くがLiDARを採用している。

19日の米株式市場ではLiDAR関連企業の株価が上昇。ルミナー・テクノロジーズは前日比で8.9%高、ベロダイン・ライダーは4.7%高となる場面があった。アップルは序盤の上げを消し下落に転じた。

原題:Apple in Talks to Buy Self-Driving Sensors, Key Step in Car Plan(抜粋)

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