2021/2/15

【猪瀬直樹】五輪組織委員会を「密室」から解放せよ

作家、元東京都知事
「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」
東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会で会長を務めてきた森喜朗氏(83)が先週金曜日、辞任を表明した。
7月23日にスタートする東京五輪開催まで約5カ月──。
今後は、組織委員会の名誉会長を務めるキヤノンの御手洗冨士夫会長が選考委員長になり、今週前半にも新しい会長が決まる。
一体この騒動は、どこに根本的な問題があったのか。また、これからの組織委員会は何を目指せばいいのか。
東京都知事時代に東京五輪招致に尽力した、作家の猪瀬直樹氏が緊急提言する。
INDEX
 ☑️「お友だち内閣」だった組織委
 ☑️なぜ森氏が会長になれたのか
 ☑️「新国立3000億円」の真相
 ☑️クーラーもウォシュレットもなし
 ☑️これからの組織委員会
 ☑️来年、北京は冬季五輪成功させる

「お友だち内閣」だった組織委

今回の辞任は女性蔑視の発言が発端ですが、森喜朗氏、そして東京五輪組織委員会の問題はジェンダー・フリーだけではありません。
森氏の「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」という発言に限らず、新国立競技場の建設費の高騰、公式エンブレムをめぐる盗作疑惑問題など、東京五輪では、人々を不安にさせることが次々と起きてきました。
これほど不祥事が噴出するのは、組織委員会のガバナンスに問題があるからです。