ECB、大規模刺激を維持 各国も財政出動継続を=ラガルド総裁
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ラガルドさんはIMF時代から、DC育ちで英語は堪能だし各国飛び回って交渉して平気でスピーチできるほど体も丈夫だしタフだし、フランス、いわゆるエナルクでなくても凄い人材を見つけてくるなあと感じていました。
欧州については、2008年のグローバル金融危機からの回復局面で資金が相対的に有望そうな国に向かう中、財政に脆弱性を抱えていたいわゆるPIIGS(ギリシャ、ポルトガル、スペインなど)から資金が逃避した痛い経験があります。このため、「ユーロ圏で財政出動」という議論になると、「でも、財政状況の悪い国は危なくて出動させられない」という話になり、結局、他国がドイツに対し、「ドイツが財政を出せ」と要求する構図になりますので、この手の議論は、ドイツは常に心中穏やかではないです。
これは、生産性の異なる国同士を通貨統合したというユーロ圏の本質的な問題ではあるわけですが、「欧州を二度と戦場にしたくない」という強い意志のもと、これまでも粘り強い交渉で危機を乗り越えてきた欧州ですので、ある程度のところで着地点を見出してくれるものと思います。元々ECBは、コロナ前より金融政策の限界を明言していた中銀です。当時のEUはとにかく金融緩和にすがっており、それに対して異論を唱えた形でした。
コロナ禍では実態として、各国とも財政拡張を金融緩和で支える構図が定着しています。この異常な状態がコロナを機に新常態になるのか、そこから少しでも正常化を図るのか、注目されます。ドイツ、しっかり12月末で消費税減税を打ち切ってきましたね。それへの意趣返しではないでしょうが、相応の穴埋めはして欲しいと思ってはいるでしょう。ちなみにそのおかげで(?)域内物価は急騰しましたが・・・