米 バイデン大統領 中国やロシアに懸念 同盟国との連携強化
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バイデン政権が中国に対する懸念を表明し始めたことは、日本等の同盟国が米政権に上手く働きかけたことも要因の一つでしょう。
バイデン政権が同盟国を重視するのは歓迎すべきことである一方、バイデン大統領は米国の国防予算を削減すると見られており、同盟国に対する負担増加の要求はトランプ政権よりも厳しくなる可能性もあります。
また、民主党は伝統的に自由、人権、民主主義といった価値を重視する傾向にありますが、これに違反した国に対して効果的な圧力をかけるかどうかは別問題です。
バイデン政権は、「中産階級のための外交政策」というスローガンを掲げています。外交政策も、米国内の中産階級の利益になるように決定されるということでしょう。このようなスローガンを掲げることになったのは、エスタブリッシュメントに属するバイデン氏が、エスタブリッシュメントがトランプ氏に敗れた経験から、中産階級を取り込むことが大統領選挙で勝利する鍵になると考えたからでしょう。
ただでさえ、米国の是々非々外交は中国が望むところです。また、「中産階級のための外交政策」は下手をすれば、バイデン版「アメリカ・ファースト」になる可能性もあります。
もちろん、バイデン大統領やその政権が悪いというのではありません。民主主義的手段によって米国民が選んだ指導者を、他国が良いとか悪いとか言うことは適切ではありません。各国とも自国の利益を考慮するのは当然ですし、日本が、米国の政策が日本にとって有利だとか不利だとか言うことも日本の利益を基にしている訳です。
日本は、バイデン政権がどう出るかを待っているだけではいけないでしょう。他の米国の同盟国と協力して、バイデン政権が国際秩序の維持、地域の安定のために具体的な行動をとるよう促していく努力が必要だと思います。
注目のコメント
バイデン政権の一連の外交政策についてのスピーチでした。世界各地で中国とロシアと対決していくことが基本になります。そのためにも、同盟国との関係強化が重視されるという内容です。例えば、トランプ政権では、ドイツに駐留する米軍は大幅に削減されることになっていましたが、撤回されました。ロシアとの対決を重視するためです。
広い意味では、これから米国がミャンマーに制裁を課すと述べられたのも、この対決の一環といえます。その際も、米国単独ではなく同盟国と一致した行動が重視され、EUのみならず、日本とインドも同盟国としてミャンマーへの制裁に参加するように打診されています。
中東については、イラン、イラク、シリア、パレスティナ、アフガニスタンへの言及が無く、まだ政策が定まっていないともとれます。イエメンで続いている戦争については、イエメンに侵攻しているサウディアラビアとUAEへの兵器売却が凍結されるという方針転換が示されました。
それから、米国への難民の受け入れ人数枠を1年間につき12万5千人に拡大するという政策転換も示されました。トランプ前大統領は個別のイシューごとにディールが成立すれば身を引く、言わばルーレットのような外交を仕掛けてきました。
バイデン現大統領は、米国的なイデオロギーを重視する点で、中露にとってより厄介です。それが改めて示された形かもしれません。