2021/2/2

【石坂 茂】婚活、コロナ禍で活況。結婚は「不要不急」ではない

株式会社IBJ 代表
地域に点在する結婚相談所・仲人さんを組織化した「日本結婚相談所連盟」を設立し、ITとリアルを融合させた婚活事業を推進してきたIBJ。同社は婚活業界で初めて東証一部上場を果たし、業界第1位の会員数・成婚者数を誇る。

創業社長の石坂茂氏は日本興業銀行の出身で、「婚活」という言葉が存在しなかった2000年に日本初となる結婚相手のマッチングサイトを開設した。

金融業界から一転して新規事業を立ち上げ、婚活からライフデザイン領域にまでサービスを拡充している石坂氏に、独自のビジネスモデルや成婚メソッド、経営哲学を聞いた。(全7回)
石坂 茂(いしざか・しげる)/IBJ 社長
1971年生まれ。95年東京大学経済学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。2000年ブライダルネット社長に就任。2006年IBJを設立し社長に就任。日本最大級の結婚相談所ネットワーク「日本結婚相談所連盟」をはじめとする婚活事業を基軸に、ウエディング、ハネムーン、保険、不動産などに事業を展開。人生をトータルにサポートする「ライフデザインサポートカンパニー」として成長させている。

「結婚」は根源的な欲求

日本では1年間にどれくらいの結婚カップルが誕生していると思いますか?
2019年のデータでは59万8965組と、令和婚のブームにより7年ぶりに増加していますが、全体でみると低下を続けています。
少子化や結婚に対する価値観の変化、パートナーシップの多様化などから、日本の婚姻件数は年々減少しているものの、興味深いデータもあります。
18歳~50歳未満の未婚男性の約7割、未婚女性の約6割は「交際相手がいない」と答えていますが、一方で男性の8割以上、女性の約9割は「いずれは結婚したい」という思いをもっているのです(第15回/2015年「出生動向基本調査」)。
結婚しなくても自分らしく生きていける時代になっても、多くの人が結婚したいと思っている。結婚というのは、人間の根源的な欲求なのだと思います。

コロナ禍でも婚活は活況

2020年のコロナ禍においても、結婚は不要不急ではないことを実感しました。
私たちIBJが運営する日本最大級の結婚相談所ネットワーク「日本結婚相談所連盟」のお見合い件数は、8月に過去最多の4万件超、新規の入会者数も前年同月比で30%増加し、その後も過去最多を更新し続けています。
全国約2500社の結婚相談所が加盟する「日本結婚相談所連盟」(IBJが運営)における2020年のお見合い成立件数の推移