【直撃】半導体メーカーは「不要」になるのか
世界を代表する半導体メーカーであるNVIDIAやAMDが数兆円規模の大型買収を行い、業界の再編が進んだほか、これまでは半導体のユーザーにすぎなかったアマゾン、マイクロソフト、アップル、グーグル、テスラなどの巨大テック企業が、自ら半導体を作る側に回りはじめた。
この激動の中で迎える2021年は、さらに半導体にとって大きな年になるだろう。
「ハードウェアだけにこだわっていたら、端っこに追いやられてしまう」
もはや数少ない「日の丸半導体」企業の生き残りとなったルネサスエレクトロニクスの柴田英利CEOはこう危機感を表す。
ルネサスはこれまで、トヨタをはじめ、大手自動車メーカーを中心に半導体を供給してきたが、モビリティの分野は、自動運転や電動化など、まさに大きな転換を迎えている領域だ。
「10年後、20年後、ルネサスのコアは、半導体をつくることではなくなっているかもしれない。自分で自分の『食い扶持』を奪うようなことをやりたい」
半導体業界の未来とルネサスの戦い方について、柴田CEOに語ってもらった。
3つのポイント
①今ある半導体メーカーのうち、半分は買収されていく
②テスラのように半導体まで内製する車メーカーは「特殊」
③差別化のポイントは、半導体ではなくソフトになる