2020/12/24

【新浪剛史】日本が「世界で勝てる」分野は、ここだ

NewsPicks 編集委員
2020年、日本で7年8カ月ぶりに首相が交代した。
安倍政権から菅政権に替わり、通信業界の改革や地銀再編、再生エネルギーへの投資など、産業界にも大きな動きがある1年だった。
そんな菅政権を支えるブレーンの一人が、サントリーホールディングスの新浪剛史社長だ。
菅首相とも近しく、9月の就任後も複数回にわたって意見交換をしており、その考えが政策に反映されている部分も少なくないだろう。
今、新浪社長は何を考えているのか。日本の再生という大きなテーマで、語ってもらった。

もう日本は「なんともならない」

──この30年間で日本は弱くなりました。GDPや賃金の伸びからも明らかです。
私が三菱商事時代にアメリカの経営大学院を卒業したのが1991年。当時、MBAに集まる学生が必死で学んでいたのが、日本企業の成功法則でした。
それから30年がたち、今は隔世の感がある。この期間は一体なんだったんだろうと、改めて問い直さなければいけません。