2020/12/25

【外資続々】ニッポンのフードデリバリーはまだまだ成長する

2020年、日本で最も急成長した市場の一つが、飲食店からできたての料理やドリンクを届ける「フードデリバリー」だ。
米Uberが手がける「ウーバーイーツ」が流行語にノミネートされたり、飲食店や街角で待機する配達員を指す「ウーバー地蔵」なる新語まで登場した。
NewsPicksでも、2020年はこの新しい市場の最前線を追い続け、さまざまな記事や動画を配信してきた。
ウーバーイーツだけでなく、LINE傘下となった老舗の出前館、スタートアップ企業のmenu(メニュー)やChompy(チョンピー)も登場。さらに、フィンランドのWolt(ウォルト)や中国のDiDiフードなど、外資系企業も次々に日本市場に参入している。
そして、12月には、韓国のフードデリバリー最大手「配達の民族(ベミン)」が「フードネコ」のサービス名で日本に進出した。
こうした中で、2020年9月に日本に上陸したのが、フードデリバリー世界大手・独デリバリーヒーローが運営するフードパンダ(foodpanda)だ。
フードパンダはもともと、ドイツの投資会社であるロケット・インターネット社から出資を受け、2012年に設立。
インドのデリー、ムンバイを拠点にサービスを開始し、これまで香港、シンガポールなど、アジアを中心に8年以上にわたってフードデリバリーサービスを展開してきた。
その後、2016年にドイツ・ベルリンに本社を持つデリバリーヒーローが、出資していたロケット・インターネット社などからフードパンダを買収。デリバリーヒーローの100%子会社となった。
(写真:ロイター/アフロ)
日本はフードパンダにとって12カ国目となり、すでに札幌、横浜、名古屋、神戸、広島、福岡の6都市でサービスを展開している。
日本で激化する「フードデリバリー戦争」は、どうなっていくのか。
NewsPicksは今回、来日したフードパンダのアジア太平洋地域(APAC)CEOであるジェイコブ・アンゲラ氏にインタビュー。
日本進出の意図と、その戦略を聞いた。
3つのポイント
①日本の魅力は、人口と将来性
②日本市場に「かなり投資したい」
③M&Aより、まずは自社の成長

日本はフードデリバリー未開拓

──フードパンダが日本に参入する最大の狙いは何でしょうか。
アンゲラ 私たちは、日本は非常にユニークで素晴らしい市場であると考えており、かなり長い期間、日本市場への興味を持っていました。