日本医師会など「緊急事態」宣言 9団体合同、通常医療困難と警告
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日本には各臓器の専門家(スペシャリスト)があふれており、感染症や全身をみれる医師は一握りしかいません。
コロナを診療している多くの医師は呼吸器内科、感染症科、総合診療科、救急科の医師ですが、呼吸器内科を除く医師は全て全身を見れるジェネラリストです。
感染症の教育は新しい領域で、青木眞先生がアメリカから感染症の考え方を日本に持ち込んだのが約20年前頃になります。
感染症の知識は医師の間でも未だ共通認識として不十分で、医師であっても曖昧な知識なために、一般人と同様にコロナに対する恐怖を持ってしまったという側面もあると思います。『なぜインフルエンザが流行しても医療は破綻しないのに、新型コロナだと破綻する話がでてくるのか?』という疑問をみかけます。
なぜかは明らかで、『医療に対する負担が格段に大きいから』です。
最近のBMJに、新型コロナで入院した3641人と季節性インフルエンザで入院した12676人の症状のリスクと死亡リスクの差を比較したところ、
新型コロナは、季節性インフルエンザと比較して、死亡リスク4.97倍、人工呼吸器使用リスク4.01倍、集中治療室への入院リスク2.41倍、付加的な入院日数リスクが3.00倍と推定されていました。
▷BMJ. 2020 Dec 15;371:m4677.
新型コロナが医療資源を多く消費するのです。
感染リスクと感染防御策の労力をお伝えするのは難しいのですが、こんなたとえはどうでしょうか?
ある家庭で、15人の中学生の子育てをしているとしましょう。15人…というとすごく大変だろうと想像できますよね。とはいえ、夜間は特に多くの病院で15対1の看護職員数でもありますので、イメージは共有できると思います(4:1や7:1などもあります)。
そして、感染症の看護となると、中学生ひとりに対応するたびに、服を着替えないといけないイメージです。
これが、『普段の医療のイメージ』といえます。
新型コロナへの対応となると、どうなるでしょうか?
15人の中学生が、15人の新生児になるイメージでしょう。
新生児でも状態が安定していれば比較的なんとかなるかもしれません。しかし新生児はいつ状態が悪化するかわかりません。当然丁寧な配慮を要します(新型コロナが軽症にみえても急に悪化するイメージ…です)。
さらに新型コロナとなると、インフルエンザでは服を着替えるだけでよかったのに(十分手間ですが)、和服をきがえて帯をしめなおさないといけないイメージになります。防護服を着替えるのは大変なのです。
そんな状況で、新生児が急変したとしましょう。どんどん厳しい状況に追い込まれることになります。
もちろん、今後は病床の再編は必要かもしれません。しかし、少ない医療者でなんとか維持している場所もあるでしょう。入院されている方を退院させるわけにもいきません。難しい局面に追い込まれているといえます。最前線で苦闘されている医療関係者の方々には感謝の気持ちが絶えません。
それにつけても、スポークスマンって大切だなあ、と思う次第です。高圧的な態度では、誰も心を打たれません。医師会は意識が「師」なのかな、と。それが間違いのもと、本来なら「士」で良いはずですが。既得権を守りたいだけのようにしか感じない。
某検索エンジンの掲示板に張り付く人々くらいしか、応援団は居ないのではないかと感じます。あの円グラフで見せるアンケート機能、世論誘導的で、いかがかと。
いずれにせよ、コロナ後には、この感染者数で緊急事態を呼びかけるような医療の供給体制に対して「大きなメス」が入ることならざるをえないでしょう。少なくとも開業医の年収を大幅に下げないと示しがつかない。代わりに看護士さんの年収は上がる感じで。
追記ですが、話を聞いてくれないから専門家会議に擦り寄るスタンスは如何かとも素直に感じます。自分たちの声の届け方に問題があったのではないでしょうか?