2020/12/21

【山田悠史】いま知っておきたいコロナ後遺症の現実

マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医
COVID-19(新型コロナウイルス感染症、以下COVID)に世界が翻弄されたこの1年。日本でも再び感染が拡大し、医療崩壊も懸念されている一方で、街なかには人があふれ、当初に比べ人々の警戒感は薄れつつあるようにも見える。そんな中で明らかになってきたのが、回復後に高い確率で起こる後遺症の実態だ。NewsPicksプロピッカーで、現在は米国ニューヨークの大学病院で診療にあたる山田悠史医師が、現地でのケアの取り組みを含めて解説する。
3つのポイント
①発症した人の半数以上が、回復後も何らかの心身の不調に苦しんでいる
②軽症だった人や若い世代でも、一定の確率で後遺症が生じている
③ニューヨーク内外で後遺症専門のクリニックができている
ファイザーのワクチンがついに接種開始へ。
ワクチンの開発の進行と同時に、パンデミックの終焉への期待感も高まる中、我々医療従事者は今もなお、目の前でCOVIDとの戦いを続けています。
新型コロナウイルスの感染者数や重症患者数、死亡者数の報道が紙面を踊る中、置き去りにされがちなのが、新型コロナウイルス感染からの回復者のその後についてです。
「8カ月が経った今も呼吸がうまくできない」
「もう大好きだったマラソンはやめてしまいました」
そんな声を耳にされたことがあるでしょうか。これらはCOVIDから回復後、今もなお後遺症に苦しめられている方から、私がここニューヨークで、医師として耳にしてきた実際の言葉です。
COVID後遺症はどこまで明らかになっているのか。そして、私たちに何ができるのか。今回の記事では、そんな点を明らかにしていきたいと思います。

後遺症に苦しむ患者の声