2020/11/18

【ユニコーン】ビル・ゲイツも出資、食品が長生きする技術

洪 由姫
NewsPicks 編集部(シリコンバレー支局)
世界的なコロナのパンデミックは食品の流通に大きな影響を及ぼした。
大量のレストランが閉店したことで、多くの食品が行き場を失って廃棄され、消費者の買い物の頻度が減ることで、より長持ちする食品が好まれるようになった。
食品の需給が変わる中で大きな注目を集めているのが、その「寿命を延ばす技術」だ。
特殊な液体を吹きかけるだけで、例えば5日で腐っていたイチゴの寿命が2倍に延びる。寿命が延びれば、腐って廃棄される可能性をグッと減らすことができる。
この技術を開発するのはカリフォルニア州のアピール・サイエンシズ(以下アピール)だ。
ビル&メリンダ・ゲイツ財団が投資する他、今年5月にはテレビ番組の司会者で有名なオプラ・ウィンフリーや、歌手のケイティ・ペリーらから2億5000万ドル(約261億円)を資金調達し、ユニコーン企業入りを果たしている。
アピールが巻き起こそうとしている食の革命とは何なのか、彼らの野望を聞いた。
James Rogers(ジェームズ・ロジャース)/アピール・サイエンシズ創業者カーネギーメロン大学材料工学部を卒業、カロフォルニア大学サンタバーバラ校にて材料工学で博士号を取得。2018年、材料科学の技術を使い、食料の寿命を延ばす素材を開発。腐敗を遅らせることで、世界の食料廃棄問題に取り組む。
まず最初に、「なぜ食物が腐るのか」から理解しておきたい。腐る理由は、食物の中の水分が蒸発して、酸化が進んでしまうためだ。