2020/10/6

【秘録】雪国まいたけの「再生ストーリー」が面白い

川北 真梨乃
NewsPicks 記者
企業経営において、ガバナンスは軽視されがちだ。売上高や営業利益という数字に追われ、組織の見直しがおろそかになってしまう企業は少なくない。
とりわけ日本では「所有と経営」が一体化している企業が多い。『ファミリービジネス白書 2018年版』(白桃書房)によれば、上場企業約3650社のうち、53%が同族企業というデータがある。非上場会社を含めると、さらにその比率は高まるだろう。
同族経営は、強烈なリーダーシップで会社を強くすることもあれば、創業家が暴走して破滅へと追い込んでしまうこともある。
キノコの生産販売で国内トップシェアを誇る雪国まいたけも、同族経営の功罪を味わった企業の1つだ。
創業者が開発した独自技術によって一時は急成長を遂げるも、2013年に業績悪化と不正会計の告発があり、経営は混迷を極めた。
それから7年──。
雪国まいたけは、今年9月に再上場を果たした。新潟のキノコ会社は、なぜ凋落したのか。そして、どのように復活を遂げたのか。
その軌跡には、日本企業に起こりがちな経営問題と解決のエッセンスが多く詰まっている。

力技で創業し、シェア拡大