2020/10/28

【ワークマン 土屋】「しない経営」接客・レジ締め・ノルマなし

ライター&編集者
コロナ禍でますます苦境にあえぐアパレル各社を尻目に、成長を続ける作業服最大手のワークマン。2020年3月期の売上高は前期比37.8%増の923億円、営業利益は同41.7%増の192億円と大幅増収増益で、10期連続で最高益を更新。既存店売上高も35カ月連続で前年超え、第1四半期(4~6月)も2ケタ増収増益になった。

「低価格」と「プロ仕様の高機能」を武器に快進撃を続け、日本国内に限れば店舗数ではユニクロを抜く。大躍進のきっかけとなった、一般客向けに「編集」したアウトドアウエアの新業態「ワークマンプラス」の仕掛け人こそ、ワークマンの土屋哲雄専務だ。

土屋氏は創業家の出身で、東大卒。三井物産で30年以上、商社マンとして活躍した後、2012年ワークマンに入社した。「エクセル」をフル活用する「データ経営」と「しない経営」で社内改革を推進、現在の新生ワークマンへと導いた。残業しない、期限は設定しない、ノルマは課さない……。ワークマンのガツガツしない“非常識”な経営、土屋氏の哲学を明らかにする。(全7回)

FCシステムを導入した理由

ワークマンとワークマンプラスを合わせると2020年9月末現在、全国に885の店舗があります。
ユニクロがほぼ直営店であるのに対し、当社ではフランチャイズ(FC)システムを導入しています。
その取り組みは早く、1982年に埼玉県深谷市にオープンした3店舗目はFC加盟店で、現在も9割以上がFC加盟店です。