2020/10/2

【新】隠れた国民病「同調圧力」との闘い方

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2020年前半、日本を襲ったのは「新型コロナウイルス」だけではなかった──。
コロナ禍の中で、いわゆる「自粛警察」が台頭したことは記憶に新しい。感染者に謝罪を求め、営業を続ける飲食店やライブハウスにクレームをつけ、他県からやってきた人々を糾弾する……そんな「空気」の中で、多くの人が疲弊し、息苦しさを募らせていった。
こうした空気のことを「同調圧力」と呼ぶ。
同調圧力とは、多数派や主流派の意見に従えという、暗黙の「命令」だ。そして日本は、同調圧力が世界でも突出して高い国だという。それはなぜか。
作家・演出家の鴻上尚史氏は、「世間」という日本特有のシステムが、同調圧力を生んでいると説明する。
「世間」と「同調圧力」が支配する日本社会のカラクリを解き明かした鴻上氏の新刊『同調圧力』(評論家・佐藤直樹氏との共著、講談社現代新書)は、発売前に重版が決定し、2週間で4万部を突破した。
この反響の大きさは、これまで「世間」の息苦しさをテーマにした演劇や著作を数多く発表し続けてきた鴻上氏から見ても「異常事態」だという。
新型コロナがあぶり出した、ともすればコロナより恐ろしい「国民病」──われわれは「同調圧力」と、どのようにして闘っていけばいいのだろうか? 鴻上氏にそのヒントを聞いた。
鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)
作家・演出家。1958年愛媛県生まれ。1981年に劇団「第三舞台」を結成。現在は、プロデュースユニット「KOKAMI@network」と、「虚構の劇団」を中心に活動。『「空気」と「世間」』『不死身の特攻兵』(共に講談社現代新書)ほか、著書多数。

戦前にもあった「自粛警察」