ストリーミング全盛時代の「新しいヒットの基準」

2020/7/17

「コンテンツの求心力」を評価

テレビの創生期から、その勝者と敗者を判定してきたのは調査会社のニールセンだった。西海岸を制した番組は? 深夜帯の負け組は? 70年代のファミリードラマ『オール・イン・ザ・ファミリー』から、現在人気の『ヤング・シェルドン』まで、テレビ業界は番組の評価をニールセンの視聴率調査に頼ってきた。
だがストリーミング全盛の今、番組(コンテンツ)の価値はどうやって決めるのか。
ネットフリックスなどが配信するコンテンツの評価基準を考案したというのが、パロット・アナリティクス(Parrot Analytics)。まだほぼ無名のスタートアップだ。同社は視聴者数だけでなく視聴者の関心の強さも計算に入れ、そこから動画配信企業が何より知りたい数字、すなわち「コンテンツが引き寄せる加入者数」を予測するという。
コンテンツには視聴習慣の変化を踏まえた新しい評価システムが必要だとの思いからパロットを立ち上げたと、ワレド・シーガーCEO(32)は語る。「今は誰もがばらばらの時間に、ばらばらのプラットフォームを利用して、ばらばらのコンテンツを見る時代です。新しい物差しが必要なのです」と、シーガーは言う。
パロットが開発した「需要度(Demand Expressions)」なる指標は、インターネットで収集したさまざまな「シグナル」を基にしている。グーグルで検索されたドラマや映画のタイトル、フェイスブックで獲得した「いいね」の数、海賊版のダウンロード数、ウィキペディアのトラフィックなどを分析し、コンテンツの人気ぶりを割り出すのだ。
(Hunter Kerhart/The New York Times)

ネトフリ史上最強の「シーズン1」